第二話
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構な重労働じゃねぇのか」
まぁ、確かに小麦粉を挽くのは重労働ですよ。普通の女の人ならね。
でも、こっちは普通の女じゃないんだなぁ、これが。
「まぁ、見てて下さいって」
それだけを言うと私は碾き臼を台の上に乗せて、意識を集中させる。
そして麦を手際よく放り込みながら全力で回し、小十郎の十倍の速さで製粉作業を推し進めている。
これに侍女達はうっとりとした眼差しを送ってくるんだけど、逆にこの様子を見ていた政宗様と家臣達はドン引きって顔をしてる。全く失礼しちゃうわ。
「うおりゃああああ!!」
火花が散るんじゃないのかと思う勢いでゴリゴリ製粉やった結果、大体一時間程度で使いたい量の小麦粉が完成しました。
普通にやってたら一日かかっても出来るかどうかってレベルのものを、一時間でやったんだから評価してもらいたい。
「うし、それじゃパンケーキを作りますか」
「ぱんけーき?」
首を傾げる政宗様に私は笑ってお手伝いを頼む。分量は適当だけど生地の状態を見れば、まぁ悪くは無さそうだ。
本当はベーキングパウダーとかあるとホットケーキみたいに膨らんで良いんだけど、
流石にそういうわけにはいかないから、今回は平べったいので我慢してもらうことにする。
とりあえず鍋を使って試行錯誤に焼いていくうちにパンケーキが出来上がり、
試食で食べた政宗様が目を輝かせて美味いと言ってくれた。
その場にいた人達にも少しだけど振舞ってみたら美味しいって言ってくれたし、なかなか出来は良さそうだ。
パンケーキも出来たし、ムースも固まった。
付け合せに作ってもらった料理も完成したし、後はメインディッシュだけなんだけど……。
「……あね、うえ」
戸を開けて入ってきた小十郎が持っていたのが大皿に乗せられたチキンだ。
ちょっと焼きすぎかなって感じだけど、あれくらいなら十分に食べられそうだ。
「おつかれー、とりあえずご苦労様」
小十郎からチキンを受け取ってさっと身をかわすと、小十郎がその場に思いきり倒れ込む。
完全に身体が凍ってたから、倒れるとは思ったんだけどねー。かわして正解だったよ。
巻き添え食らって倒れたら折角のお肉が大変なことになってた。
「こ、小十郎!?」
政宗様が慌てて駆け寄ってたけど、私は特別心配しません。だって婆娑羅者がこれくらいで死にはしないもの。
「小十郎、お風呂入ってきちゃいなよ。そのままだと風邪引くでしょ。
政宗様、食事の用意が出来ましたからパーティをやりましょ」
「おい、小十郎が」
「平気ですって。この程度で倒れるほど、柔な育てられ方してませんもん」
心配する政宗様を余所に、私は冷めないうちに料理を運んでもらうこと
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