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リュカ伝の外伝
リュカ'sキッチン レシピその3「キョウカツ・トンカツ」
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、ユニさんの分は?」
「お前しか呼ぶつもり無かったから、ユニの分は今は無い」
いや、嘘である。陛下の後ろにある鍋には、まだ大量の肉じゃががある。

「まぁいいや。悪いねユニさん、俺だけ食べさせてもらうよ」
そう言ってユニさんに断ると、勢いよく肉じゃがを食べるポン(ウルポン)
添えられた白米・味噌汁・漬物も併せて食す。ユニさんは羨ましそうに眺めている。

「ど、どうかなぁ?」
「美味いっすねぇ!」
何故か自信なさげな陛下……確実に裏があるな(笑)

「おかわりもあるから、どうぞ」
「じゃ遠慮無く……? 『おかわり』? ユニさんの分は?」
ユニさんには一口も与えず、ポン(ウルポン)にはどんどん食べさせる。警戒するよね。

「まぁそんな事より……実はお前の実力を提供してもらいたい件があるんだ」
「な、何すか……これってその為の接待だったんですか?」
肉じゃが等のおかわりを出し、程よい渋さの緑茶を提供した事で、今の状況を“接待”と考えるポン(ウルポン)。ウケるぅ(笑)

「食べながらで良いから聞いてくれ」
「はぁ……」
「その料理……肉じゃがっていうんだが」
「その? この甘塩っぱい料理ですか?」

「うん。牛肉とジャガイモがメインの料理……だから肉じゃがって言うんだけど、偶然にもシェフの中にニック・ジャガーってのが居たんだ」
「リュカさん、過去形になってますよ(笑) そこに居るのがニック・ジャガーでしょ」

「あぁそうだね、すまんすまん。 んで話を戻すが、この肉じゃがをニック・ジャガーが売り出したら、面白くね? “ニック・ジャガーの肉じゃが”ダゼ! 面白いよね!?」
「ん? ま、まぁ〜如何(どう)でしょう。笑いの感覚は人それぞれですし」

「で、ニックに肉じゃがを提供する店を出させたいのよ! “ニック・ジャガーの肉じゃが”ってね! なるべく費用は抑えたいんで、なんか良い物件知らない?」
「漠然と『良い物件』と言われましても、地方へ行けば無料(ただ)みたいな価格で土地も建物も借りれますし……」

「ダメダメ。地方発じゃ肉じゃがの噂が広まるのに時間がかかる。それに賃貸はダメ……食材はその年の気候によって値が大きく変動するから、安定して家賃を払えない。王都内で、メインの通りに近く、それでいてお手頃価格な物件がいい!」

「なるほど、我が儘だな。う〜ん……そうなると……一つ心当たりがあります」
「流石は天才宰相閣下!」
陛下が無邪気な笑みでポン(ウルポン)を称える。ポン(ウルポン)もそこはかとなく嬉しそうだ。

「え〜とですね、その物件は中央地区にあるんですが、ほぼ城前地区との境界沿いにありまして、グランバニア城の北広場から港地区のグランバニア港までの大メイン通りから、1本裏に
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