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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十話 何気に水銀並の術式使います
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れあれ この世界は全てに続く (Singen, lachen, es zu ehren. Diese Welt ist alles, was folgt)
 お前は全てを支配した 故に私は全てを印すのだ (Sie haben alles regiert. Ich bin deshalb markiert das alles.)
 我ら七人 今再び蘇らん (Ich belebe uns jetzt wieder sieben Menschen nicht wieder.)」

そう言った瞬間、この町に存在する魂が急激に増大した。町に数箇所、その数は決して多いというわけではない。しかし、無視出来る程の数でもない。此処に彼の本質の一端が顕現することになる。眠っている魂も未だにあるが遊園地、病院、そして僕自身に一人、教会に二人。その魂は数こそ一つずつだが総量においては一人と言うものを上回る。

「さて、ヴィルヘルム、ルサルカ、司狼、ヴァレリア。それに己を含めて今はまだ五人、あと二人は誰にすべきか。それにしても病院に一人?まさかヴァレリアかルサルカでもいるのか」

事実、ヴァレリアは現在リザと共に病院におり、さらにエレオノーレにすら気付かれない隠形を行っていた。が今それは全く関係ない。
歩を進める。目指す場所は病院。エレオノーレが出てきた以上、猶予は無い。少しでも手駒を増やすべきだ。例えそれが敵に塩を送る結果になる可能性を秘めていても、多ければ六の歩兵が手に入る。

「さあライニ、こいつ等は下手すれば獅子身中の虫になりかねないぞ。如何動く?」

最初に手に入れるべき候補はトバルカイン。彼に自意識は存在しない。だからこそ、彼の魂はたやすく僕ら(・・)にも呑み込むことが出来るだろう。本当は黒円卓の面子に対して、そんなことしたくはない。しかし、エレオノーレがこのタイミングで現れた以上、これ以外の選択肢は僕の中には存在しない。

「螢ちゃんは怒るかもしれないな」

ふと独白する。尤も彼女が怒ろうとも、いやそもそも誰がどう言う反応を示そうとも関係ないか。赤騎士(ルベド)が降り立つ戦場へ影は向かう。

「俺(・)を怒らせたんだ。責任とって止めて見せろよ、赤騎士(ルベド)が」

詠唱の性か本質を漏らした彼は犬歯を剥き出しにして病院へと移動する。



******



「ザミエル、卿……」

櫻井が震える声でその名を呼んだ。

「我が君より命を受けて推参。もって第五を開き同輩らを呼ぶ先駆けとする
聖槍十三騎士団黒円卓第九位、大隊長―――エレオノーレ・フォン・ヴィッテンブルグ=ザミエル・ツェンタウァ
さあ参れ、副首領(クラフト)の落とし子。私の(ローゲ)でハイドリヒ卿へ捧げる刃の切れ味を見てやろう。鈍刀(ナマク
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