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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十話 何気に水銀並の術式使います
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―――夜・病院―――

日を跨ぎ一夜明けた後の夜、と言うわけではなく、さらに一日がたった。一昨日の夜からのメール以来、司狼との連絡がつかなくなり、ボトムレスピットのスワスチカが開いた。ダンスホールでは夥しい血痕と、VIPルームでバラバラになってたバウンサーの死体から、それが意味することは……あまり考えたくは無いがアイツがもう居ないことも考慮しないといけない。だけどあの司狼(バカ一号)のことだ。どっかで今も生きてて、どっかで俺のこと見ながら馬鹿にしてるだけかも知れない。

「……クソッ……」

分かってる。そんなの全部俺の都合のいい考えだ。ボトムレスピットのスワスチカが開いた。
香純は唯一の生存者として病院に運ばれた。しかしだ、おそらく病院もスワスチカを開くための場所だ。意識が戻らないままじゃ連れ出すことも出来ない。どころか香純は警察に生き残りとして重要参考人として身柄を拘束されているようなものだ。そして、例えこの病院の人に虐殺者が来ると伝えたところで誰も相手にしないだろう。

「そうやって悩み続ければ罪の意識から逃れられるとでも思ってるのか、俺は…」

人気のない屋上に風に当たりに行く。そして屋上に来て見ればさっきからいなくなってたマリィがそこにいた。

「ここにいたのか……」

彼女を見ると荒んでた心が穏やかになっていた。なんというかいつもなら夕方の黄昏に彼女を見るからか新鮮なものだった。
そうして彼女と一緒に話す。俺は彼女とこうして何時までいれるのか。彼女が五人目になりたいといっていたがそれは本当に訪れるのか。考えが悪いほうに進んでいく。

『本当に人じゃない存在もこの世にいるのだから』

またこの言葉を思い出してしまった。関係ない、マリィは人だ!アイツの言った言葉はマリィに対していった言葉じゃない。それは俺自身、よく分かっているはずだ。

「きっと皆でまた集まって、その時はマリィも一緒にバカやって楽しもう」

そう言うしかなかった。



******



「さて、君が言ったんだよ、僕に名前を呼ばせると。せいぜい気をつけて防ぎな」

そう言ったアルフレートはこれまで着ていた軍服からジーンズ、長袖にジャケットと現代的な服装に着替えていた。場所は病院にそう遠くない山の木に腰を下ろし持ち前の視力で人形とマルグリットを見定める。
アルフレートと同じように未だ形成までしか出来ない人形一人で果たして螢ちゃんとリザの操るトバルカインを斃すことが出来るだろうか。

「人形、君はまだ分かってない。本当に勝つつもりなら守りに回ることは愚かだよ。攻めて攻めて攻めて一戦でも多く経験を稼がないと。出なければ与えられるのは死となる」

もっとも彼の創造、それが完成すれば或いは平団員である彼らを同時に制
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