暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第110話:墜ちる魔弓
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フォギア装者を上回る能力を持つ者も居る。これに加えて錬金術師が敵に回るとなると、それは由々しき事態と言わざるを得ない。

 とにかくこの事は早急に本部に伝えるべきと、クリスが通信であおいに事の次第を話した。その上で回収を要請する。敵はまだいるのに、この場には明らかに戦闘要員ではないエルフナインが居るのだ。

「こっちにも252が居るんだ! ランデブーの指定を――」
「!!」
「え?」

 クリスがエルフナインを避難させる為の回収を要請しようとしたその時、透が2人を抱えてその場を飛び退いた。直後ついさっきまで2人が居た場所に何かが降り注ぎ耕した。
 正体不明の攻撃らしきものが耕した場所からは赤い煙が上がり、その周辺は赤く変色して崩壊している。

「何だ、こいつは――!?」

 今までに見た事もない攻撃に、クリスが慄く。

 足を止めて崩壊した地面を前にした3人を、挟むように2人の人影が降り立った。1人は先程まで2人が戦っていたレイア。そしてもう1人はメイジだった。

 レイアとメイジに挟まれ、透とクリスはエルフナインを挟んで互いに背中合わせになって迎え撃つ姿勢を取る。だが、よくよくそのメイジを見た瞬間2人の顔は凍り付いた。

「何で……何で、テメェが――――!?」
「!!」

 そのメイジの仮面は紫色をしていた。2人が知る限り、その色の仮面をしたメイジはただ1人――――

「フフフフフッ――!」
「……フンッ」

「何で、テメェがそこに居るんだ! メデューサ!!」

 悠然と佇むメイジ……メデューサに向けクリスが吠える。

 クリスの声に答えず、メデューサは透に向け手に持っていた蛇が巻きついたような杖を構えた。すると杖の先端から無数の光弾が放たれ、透に向け飛んでいく。

「!」
〈バリアー、ナーウ〉

 咄嗟にメデューサの攻撃を透は障壁で防ぐが、メデューサの攻撃は想像以上に重く防いでいるにも拘らず透の体が背後に押される。

 このままでは防ぎきれず纏めて吹き飛ばされてしまう。それを察した透はクリスにエルフナインを連れて離れる様に告げた。

「でもそれじゃあ透が!」
「クリスさん、ここは透さんの言う通りにしましょう! ここに僕たちが居ては彼の足手纏いになります!」
「――! くそッ!?」

 エルフナインの言葉にも一理あると、クリスは唇を噛みながらエルフナインを抱えてその場を飛び退く。

 クリス達が自分の後ろから離れたのを感じ取り、透はもう心配する事はないと障壁を捨てる勢いでクリス達とは別の方向に向け飛び退いた。その瞬間障壁が砕け散り、数発の光弾が地面を抉った。

 そのまま透とメデューサは戦闘に突入する。メデューサは無数の光弾で透を追い詰めていき、激しい弾幕に透は
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