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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第110話:墜ちる魔弓
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颯人がロサンゼルスで、奏達がロンドンで、それぞれ騒動に見舞われ戦闘に突入していた頃、日本でも同様に騒動が起こっていた。
突如起こった火災。それだけならまだしも、奇妙な爆発の被害が一定の方向に向けて広がっているのだ。
この事態に弦十郎は人が取り残された火災現場に響を、被害が拡がっている方にクリスと透を派遣。響の方は順調に逃げ遅れた人々の救助に成功し、クリスと透はヘリで被害が拡がるだろう予想進路上に降り立った。
さぁ何が被害を広げているのか。その原因を探そうとした矢先、2人を運んできたヘリが何者かに撃墜された。
「!!」
「くっ!?」
突然の攻撃に周囲を警戒する2人。上を見上げれば、そこには1人の男装をした女性が2人の事を見下ろしていた。
「この仕業はお前か!」
全力で警戒し見上げるクリスの問い掛けに、女性は何も答えず冷たく見下ろしてくる。得体の知れない女性に、透がクリスを守る様に立ち位置を変えた。
この事態は即座に本部に伝えられた。ロス・ロンドン・日本での同時多発攻撃。状況を察した弦十郎は素早く各所に指示を出す。
その間にもクリス達の方では事態が動いた。
男装の女性が金色のコインを2人に向けて弾いてくる。恐らくは威嚇だろうと思われた攻撃だが、何発かは明確に透を狙って放たれた。数発の放たれたコイン、変身している暇はない。
「ッ!!」
しかしその程度であれば、透も変身する必要がなかった。直撃コースのコインを透は手刀で弾く。その際の衝撃は骨まで届き、透は走る痛みに歯を食い縛る。
「透!?」
「!」
痛みに顔を顰める透にクリスが彼を心配するが、幸い骨には罅すら入っていない。流石のフィジカル、それに魔力の存在も手伝って、痛くはあったがまだ問題ない範疇だった。透はクリスを安心させるべく、汗を浮かべながら笑みを浮かべ頷く。
「……これで仕留められれば楽だったが、そう上手くはいかないか」
ここで初めて女性が口を開く。両手の指にコインを挟み、構えを取った女性にクリスが噛み付かんと目を向ける。
「テメェ……透を狙いやがったな! ならテメェはアタシの敵だ!」
透を明確に狙われた事でクリスは女性を完全に敵と判断。ギアペンダントを取り出し、聖詠を口にしシンフォギアを身に纏った。
同時に透もメイジに変身する。
「Killter Ichaival tron」
〈チェンジ、ナーウ〉
シンフォギアを纏ったクリスは先手必勝と言わんばかりにボウガン型のアームドギアを構え、女性に向け何発も矢を放つ。赤い光の矢が何発も女性に向け飛んでいくが、女性はそれを人間離れした動きで全て回避。それだけでなく、両手に一本ずつ矢を掴んでしまった。
――この動き
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