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竜のもうひとつの瞳
第十話
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で興味は無かったんだが……
こうなっちまった以上は、名乗りを上げねぇわけにはいかねぇだろう。
俺は奥州の民が笑って暮らせる国を作りてぇと思ってきた。
だが、いくら奥州の状態を良くしたところで、他方から攻め込まれりゃ水の泡だ。
それに、奥州の外じゃ苦しんでる民も山ほどいるだろうよ。
……俺が天下を獲って世のあり方を変える。そうしなきゃならねぇ。小十郎、景継、異論はあるか」

 政宗様が天下を目指されることを決めた。いよいよ動き出すのか、天下へ向けて。

 心躍るものがあるけど……まぁ、BASARAの世界とはいえここは戦国時代。
政宗様が天下獲れるかどうかは怪しいけどね。史実じゃ伊達がそうなったってのはないわけだしさ。

 「おめぇら、俺についてきてくれるか?」

 「無論、地の果てまでも」

 「しっかり付いて行きますよ」

 こんな私達に政宗様は笑って自分の膝を叩いた。

 「竜の右目、おめぇらはどちらも俺の目だ。しっかり働いてくれよ? 俺はこの通り一つ目だ。
俺の潰れたこの右目に変わって、おめぇらはしっかりと目を凝らして見てくれ。俺が天に昇る為の道をな」

 「はっ!」

 私はクールに返事をしたけど、小十郎は大分感極まっているみたいだった。
……まぁ、政宗様命の忠臣がこんなこと言われりゃあ嬉しいことこの上ないわよねぇ。

 少しずつだけど動き出した運命が一体何処へと転がっていくのか、それは私にも分からない。
何故ならBASARAは未プレイだから。無双のパクリじゃね? って話はよく聞いてたから毛嫌いとまでは言わないけど、
無双派の私は手を出さなかったんだよね。



 年が明けて雪解けの季節を迎え、いよいよ天下獲りの為に奥州の外に飛び出そうかって時にいつきちゃんが現れた。
何人かの農民も一緒にいて、山で獲ったという熊をおすそ分けに持って来てくれた。
丁度今くらいの頃だと冬眠中の熊がのそのそと起きて来る頃合いで、狩猟がやりやすいんだとか。
で、これから戦に出ようって言う私達に力をつけてもらおうと持って来てくれたらしいんだけど。

 「兄ちゃんと姉ちゃんのこと、きちんと話をしてやっとみんなに納得してもらえただよ。
兄ちゃん達は竜で、鬼じゃねぇって話をして」

 そうしたら、竜に供え物をと熊を持って来てくれたらしいんだけど……流石にこれには頭が痛くなってしまった。
いつきちゃんも少し困ったように笑ってたけど、まぁ、悪いように言われてなければそれでいいかな。

 「政宗様、良ければ熊の皮をこの小十郎に下さいませんか」

 「熊の皮? んなもん何に使うんだ」

 「これだけふかふかであれば、きちんとなめして臭みを取れば暖が取れるようになるでしょう。
寒さを凌ぐには丁度
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