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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
それぞれの力
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、よく冷静でいられますね」

3点リードされている現在。1点でも返せれば精神的にも楽になれる。そんな中で相手の攻守で得点を取れなかったとなれば、本来なら落ち込むはず。それなのに平然としている彼の姿は納得がいかないものだった。

「点が入れば最高ではあったけど別にいいよ。勝負は中盤だからな」
「その勝負は中盤って何なんですか?」
「それはな……あ、リュシー」

彼女からの問いに答えようとしたところでベンチへと戻ってきたリュシーを手招きする。それを受けて呼ばれた少女は青年の元へと向かう。

「怪我とかしてないよな?」
「そこは大丈夫だよ」
「ならいい。あのピッチャー、どんな感じ?」
「球威もあるしスライダーも切れてるよ。フォークが見てないからなんとも言えないけど……」
「コントロールも良さそうだよな?」
「そうね」
「オッケー、サンキュー」

簡単な情報を見たところで打席に立つ白髪のウェーブかがった髪をしたメガネの少女へとサインを送る。

「……で、なんだっけ?」
「だからぁ!!」

話の途中だったため何の話をしていたのかわからなくなったカミューニが部長へと問いかけると、彼女は顔を真っ赤にして同じ質問をぶつけるのだった。
















(サインは特になし。ランナーが一塁ならゲッツーは避けたい)

左打席に入る小柄な少女。彼女は打席に入るとバントの構えを見せる。

(送りかな?でも下位打線が打ってる印象ないんだよね)

準々決勝から打順の変更はない桜華学院。クリンナップとその他の打力に差があることがわかっているからか、莉愛はその構えに不自然さを覚えた。

(バスターあります。動きはギリギリまで見極めてください)
「「「「了解」」」」

内野にアイコンタクトを取りまずは初球は外にストレート。瑞姫が投球に入ったと同時にバットを引いた少女はこれを見送り1ストライク。

(やっぱり。2アウトにして下位打線じゃ勝負にならないもんね)

下位打線はこれまで綺麗なヒットを打っている印象がなかったことでバントの構えがブラフであることをすぐに見極めることができた莉愛。それに気が付いたのか、少女は今度は普通に構える。

(次はスライダー。コースは甘くていいから低く入れるよ)

打てないと言うイメージが強かったからかストライク先行で球数を抑えることを念頭に入れた莉愛。瑞姫の投球はその要求通り。しかしバッターはこれを腕をうまく畳み……

キンッ

狙いすましたようにこれを捉えた。





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