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竜のもうひとつの瞳
第五話
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からは慕われているんだとか。
だもんだから領内はかなり安定しているらしい。小物の癖に野心家で、奥州を我が物にしようと企んでいるとしょっちゅう聞いている。

 そこが嗾けてきたというのは妥当な線だけど、それにしては手際良く進んでるような気がする。
信頼関係を根っこから叩き崩して不信感を煽ったわけでしょ?
しかも武力行使をするまでに持ち込んでいる、ってのは……些か羽州絡みで考えるのは決め手に欠けるような気がする。

 「仮に最上が絡んでるとしても、最上単体で動いたわけじゃなくて協力者がいると見ていいかも。
言っちゃあ悪いけど、最上義光にそんなことが出来るとは到底」

 「俺もそう思ってる。Gentlemanにこんな大層なことが出来るとは思えねぇ。
羽州を除けば佐竹や上杉……こんなところだろうが、連中は百戦錬磨の武将だ。こんな狡い真似をするとは思えねぇ」

 つまり別の何処かの勢力が動いている、と考えて差し支えないように思う。羽州が絡んでいるってのも考慮した上でね。
それが一体何処なのか、今は見当が付かないけれども近いうちに仕掛けて来るのは考えるまでもなく分かる。

 「ちなみに奥州内部の犯行は?」

 「おそらくはねぇだろ。小十郎がそういうことが無いように、きちんと睨みを利かせてるからな」

 ……一体何をやってんだろう、小十郎は。聞いてみたいけど、聞かない方が良いような気がする。

 「ま、今は報告を待つしかねぇな」

 あれこれとこの場で推測を立てても仕方が無い。
いや、打つ手は見つかるかもしれないけど、これから一揆衆とかち合おうってのに今更対策の立てようもないし、
報告を待つしかないのは確かなのよね。

 何だか話が大きくなってきたような気がしながらも、私達は一揆衆と話し合いをすべくひたすら最北端の村を目指していた。
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