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星河の覇皇
第八十一部第一章 全戦線でその六

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「そこから浮上するにしてもな」
「行動するとなると」
「当時の人類の技術ではな」
「非常に困難なもので」
「それでだ」
 その為にだった、兵器の研究の歴史でも有名な話だ。
「海中で艦艇が沈んだりな」
「そして酸素がなくなり全員窒息死なぞ」
「多くあった」
「左様でしたね」
「そして多くの犠牲を払ってだ」
「実用化された兵器でした」
「今の宇宙の時代だと」
 潜水艦を宇宙に当てはめるというと、というのだ。
「潜ることはない」
「やはり隠密性に特化した」
 最初に言ったモンサルヴァートの言葉だ。
「そうした艦艇になるかと」
「そうなるな」
「海軍の潜水艦は海中にいました」
 勿論浮上して水上での活動も可能だった、停泊中は外に出てそのうえで停泊していた。
「しかしです」
「銀河ではな」
「異次元は只移動するだけで」
 ワープの時にだ。
「隠れる場所ではありません、攻撃の都度です」
「異次元に隠れることは出来るがな」
「しかし異次元空間の間のワープ航路は」
「それは判明する」
「それが短距離であっても」
 星系の中のそれでもだ。
「わかるので」
「異次元の中に隠れていないな」
「言うなら異次元が海中でしょうが」
「しかしだな」
「そこはまた違うので」
 海と宇宙ではというのだ。
「やはりです」
「この場合の海中、潜水はな」
「隠れる、それも徹底して」
 銀河のその中にというのだ。
「そうしたものなので」
「また違うな」
「だから。私の推測では」
「オムダーマン軍の潜水艦はな」
「ステルス兵器です」
 それになるというのだ。
「敵のレーダーに映らず視認も出来ない」
「そして動きが聞こえない」
「そうした兵器です」
「完全なステルス兵器だな」
「見えないなら」
 それならばともだ、タンホイザーはさらに話した。
「潜水しているのと同じです」
「兵器に求められている要素は同じだな」
「まさに、ステルス機がです」
「近いな、そういえばな」
 ここでだ、モンサルヴァートは苦い顔になった、そうして言うのだった。
「エウロパ戦役ではな」
「連合の軍の兵器のステルス性には苦しめられましたね」
「レーダーへの反応が悪い」
「その為発見に苦労しました」
「こちらはすぐに発見されるが」
 連合軍の優れたレーダーの前にだ。
「しかしな」
「こちらのレーダーでは確認されないので」
「特に偵察艇がだ」
 無人のものだ、各国が所有している艦艇だが連合軍はこの艦艇を特に多く持っていて周囲を哨戒しつつ進んでいくのだ。
「こちらからはな」
「容易に発見出来ず」
「先に発見されてだ」
 エウロパ軍の方がというのだ。
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