第四話
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すか! た、大したことはしておりません!
ひ、人並程度、人並程度のことしかしておりませぬ!」
「のわりにはムキになってるじゃない。そうかそうか、コイツちゃんと女と付き合ってんのか?
って常々心配だったけど、アンタもやることはきちんとやってんのね〜。いや〜、お姉ちゃん安心した!」
バシバシ小十郎の背中を叩いてニヤニヤして見せる。
小十郎は顔を真っ赤にして下品なことを言わないでいだたきたい、なんて言ってたけど、そりゃそう言いたくもなるよ。
この男臭い城でさ、浮いた話の一つも無くて休みの日は何をしてんのかと思えば畑に行って、良い笑顔で野菜に話しかけてるんだもん。
二十八だよ? 二十八。数えだから実年齢ならもっと若いのにさ、若い男が不健全じゃん。
ある意味健全だけど、それでいいのか? って思うっしょ? あの子、強面だけど顔立ちは整ってるんだもん。
政宗様が絡むとお前は恋人か、って突っ込みたくなるくらいにべったりだけどもさ、
性格だって短気なのを除けば割合優しいし、贔屓目に見てるとは思うけども悪くは無いはず。
その気になれば女ひっかけることくらい容易いと思うんだよねぇ。
「今はそのようなこと、しておりませぬ! 昔の話です、昔の!!」
いやいや、今もやれよ。嫁の一人でも攫って来いっての。まぁ、側室でもいいけどもさ。
「早く祝言挙げて、嫁さんの一人でも連れてきなよ。
私は子供埋めないから、アンタが代わりに子供作ってくれるの待ってるんだから。
それとも何? 好きな女でもいるっての?」
こんなところを突っ込んでみると小十郎が途端に言葉を詰まらせた。
思わぬ反応に目を丸くした後、ニヤニヤしながら小十郎にタックルしてみる。
小十郎はこの攻撃をかわせずに吹っ飛ばされてその場に倒れていた。
「ちょっと〜、そういうことなら早く言いなさいよ。何だ、アンタもちゃんと恋してるんじゃ〜ん。
全く、女には興味がないとか言われたらどうしようかと思ったけど、アンタもやっぱり男だったんだねぇ」
小十郎は私に吹き飛ばされてちょっとイラッとしたのか、眉間に皺を寄せながら身体を起こしている。
「姉上! いきなり吹っ飛ばすのは止めて下さいと申し上げたでしょう!!」
おやおや、照れ隠しに怒っちゃってまぁ。
「少しは元気出た?」
そう聞いてみると、小十郎は少しばかり驚いた顔をしてすぐにばつの悪そうな顔を見せた。
どーも、私の意図にやっと気付いたっぽい。
「……はい、申し訳ございません」
「小十郎、落ち込んでる暇はないよ? 事態は切迫してるからすぐに準備していつでも発てるようにしておかないと」
「はい、分かっております」
それだけ言うと小十郎は少し笑って、準備
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