第四話
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る。
そこに双子が伊達家に仕えているとなれば信心深い村人のこと、悪魔を飼っている家だ、なんてことにもなりかねない。
そうなりゃ信頼を失うには十分な失点になるだろう。
……と言っても、天災は私達のせいじゃないんだけどね。
小十郎の頭をくしゃくしゃと撫でて、今後の対策を話し合うことにした。
農民とはいえ団結して襲い掛かってくれば一つの武力だ。
あの村だけじゃなくて他の村の人間も一揆に加わっているみたいで、かなりの数が伊達家になだれ込もうとしているらしい。
まぁ、駆除するのは比較的簡単なんだけどもさ、政宗様は被害を出さずにどうにか押さえたいと考えているようだ。
とはいっても怪我を負わせるくらいは覚悟してもらわないと困る。
純粋な話し合いには持ち込めない……いや、持ち込むまでに乱闘になる可能性が高すぎる。
「ともかく、いろいろ合流されて大軍になる前に片を付けなければならないでしょう。
……一揆を先導する人間がいるはずです。その人間がリーダーでしょうから、話をしないと」
「それが、その先導してるのが……」
家臣から聞かされた先導している人間の情報に、私や小十郎、政宗様は驚いて言葉をすっかりと失っていた。
一揆を先導しているのはいつきちゃん。
まぁ、あの一件ですっかり神の子として扱われるようになってしまって、
それで一揆衆のリーダーに担ぎ上げられたんだろうってのは何となく予想がつく。
もうすぐ十二になるくらいの小さな子に、本当に酷なことをさせるもんだ。
「……ここでも、やはり双子というのは付いて回るのですね」
部屋を後にしたところで、小十郎がそう呟く。
私は俯く小十郎の頭をかなり乱暴に撫でて、髪が乱れるのもお構いなしに散々に撫で付けてやった。
「アンタのせいじゃないよ。……アンタの罪じゃない」
双子であることを理由に責められる、なんて馬鹿げている。大体そんなことを言ったら現代なんて災いが起こりまくってるっての。
それに、元々私は現代から転生してこっちに来たんだ。小十郎だって本来なら双子として生まれるはずは無かっただろう。
「罪があるとするなら、私の方だから。小十郎は気にしなくて」
「何故姉上に罪があるというのですか!」
そりゃ、私がアンタの双子の姉に生まれて来たせいで、アンタは苦しまなくても良いようなことで苦しむ破目になったんだから。
どう考えても私のせいだよ。私がいなけりゃ、ひょっとしたら家族に愛されてたかもしれないし、
村人から鬼子だと言われて酷い暴力を振るわれることもなかったかもしれない。
小十郎は納得しないかもしれないけど、アンタのその苦しみは、私が作ってるんだからさ。
「私が生まれたせいで、アンタが不必要に苦しむ破目
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