第五幕その九
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秀吉さんと一時のお別れの挨拶をお互いに左手を大きく振り合って行ってです。その後でなのでした。
皆で路面電車に乗ってです。
そうして夫婦善哉に行きました、するとです。
木造の昔の日本のお店の前に淵が周りにある粋な帽子を被ってです。
着流しの着物の上にマントを羽織った面長で小さな目の男の人がいました、男の人は王子達に笑顔で言ってきました。
「はじめまして、秀吉さんからお話は聞いてるで」
「貴方がですね」
「織田作、織田作之助や」
ジョージに微笑んで答えました。
「外の世界では小説書いてたわ」
「貴方があのカレーが大好きな」
「大好物やで、それでな」
織田作さんはジョージに帽子とマントを脱ぎつつ言いました。
「ここの善哉も大好物や」
「そうですか」
「他にも鰻丼や関東煮も好きやで」
「串カツやたこ焼きは」
「お好み焼きもきつねうどんもな」
こちらもというのです。
「そやで」
「そうなんですね」
「この街も大好きで」
「この街の食べものもですね」
「大好きや、ほな今からな」
「善哉を食べて」
「そしてな」
そのうえでというのです。
「話しよか」
「それじゃあ」
ジョージも応えてでした。
皆でお店に入りました、そして木造で椅子やテーブルもそうであるお店の中で人数分の善哉を注文しました。するとです。
皆の前の二つのお椀が出されました、そこにそれぞれ善哉があります。織田作さんはその善哉を観つつ言いました。
「これがや」
「夫婦善哉なのね」
「そや、かみさんと一緒に入ってな」
王女にこう答えます。
「よお食べてる」
「奥さんと一緒に」
「夫婦やからな」
それ故にというのです。
「そうしてるわ」
「そういうことね」
「それでな」
織田作さんはさらに言いました。
「これからや」
「善哉を食べながら」
「話そな」
「それじゃあね」
王女が皆を代表して応えてでした。
皆で善哉を食べながらお話をします、甘い善哉はお椀が二つあるだけに量がかなり多いです。それで量も楽しみつつです。
善哉を食べてお話をしていますと。
織田作さんは善哉やこの街のお話からこう言いました。
「太閤さんからお話は聞いたで」
「パーティーのことかな」
「そや」
モジャボロに笑顔で答えました。
「そのことをな」
「そうなんだね」
「返事はな」
それはといいますと。
「私でええんかいな」
「是非共」
王子は笑顔で答えました。
「来てくれるならだよ」
「ええんやな」
「そうしてくれるかな」
「ほなな」
「秀吉さん以外の大阪の人達にも来てもらうけれど」
「私もやな」
「そう言ってくれるならね」
参加させてもらうと、というのです。
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