第五幕その七
[8]前話 [2]次話
「日本語ではじゃ」
「そうなるんだね」
「そうなのじゃよ」
「成程ね」
「あと実は天守閣じゃが」
秀吉さんはこちらのお話もしました。
「あれはわしが建てさせたものではない」
「そうだったね」
教授が応えました。
「貴女の天守閣は黒い壁で」
「黒塗りでな」
「瓦は金箔だったね」
「そうであった」
「貴方は派手好きだから」
「それでのう」
その為にというのです。
「そうであった」
「そうだったね」
「あれは今の外の世界の天守閣なのじゃ」
大阪城のそれだというのです。
「だからな」
「それでだね」
「わしのものではない」
「そうだね」
「今の大阪の者達が建てたものじゃよ」
「それがオズの国にも来ているね」
「そうじゃ、あれはあれでよい」
今の天守閣もとです、秀吉さんは今度は烏賊の串カツを食べています。そうしながら言うのでした。
「大阪の天守閣だからのう」
「大阪だからいいんだ」
「この街のな、今のわしはこの街の市民の一人でな」
「それでだね」
「別に何でもない」
「それじゃあこの街は誰が治めているのかな」
このことは弟さんが思いました。
「秀吉さんじゃないみたいだけれど」
「市長さんじゃよ」
秀吉さんはあっさりと答えました。
「選挙で選ばれたな」
「そうなんだね」
「わしも選挙で投票してじゃ」
「市長さんを選んでいるんだ」
「うむ」
そうだというのです。
「そうしておる」
「そこはオズの国の多くの街や村と同じだね」
「そうじゃ、わしはもう天下人でなくな」
「大阪の市民なんだね」
「そうじゃ、しかし随分とじゃ」
秀吉さんは笑ってこうも言いました。
「皆わしを好いてくれておる」
「それは秀吉さんだからですよ」
恵梨香はほたて貝の串カツを食べながら言いました。
「皆好きなのは」
「天下無双の人たらしと言われてましたよね」
ナターシャは鱚のそれを食べています。
「私達にも気さくですし」
「何か自然に親しみを持てます」
神宝は蛸の串カツです。
「本当に」
「飾らないで愛嬌があって楽しくて」
カルロスは海老の串カツを食べています。
「それで、ですよ」
「皆が好きになるのも当然です」
ジョージは烏賊の串カツです。
「そうでしたら」
「確かに僕達も秀吉さんが好きになっています」
王子は鱧の串カツを食べつつ秀吉さんに言います。
「今お話をしていて」
「そうなのじゃな」
「皆から好かれることも」
それもというのです。
「当然ですよ」
「本当に」
王女は普通の串カツを食べています。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ