第二部 1978年
ソ連の長い手
ミンスクハイヴ攻略 その1
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「あの男は生かしておいては危険だ……、何れは我らが覇道の阻害になる。
危険な芽は早めに摘むのが一番……、奴にはパレオロゴス作戦開始前に死んでもらう」
対坐する長官は、革張りのアタッシェケースより一枚の紙を取り出す
「もし、今回の件が失敗した場合は、この密書に書いた通りに事を運べ」
男の表情が曇る
「米国のド真ン中で……、中々厳しい注文ですな」
その資料には、以下のようなことが書かれていた
国連職員の制服を着て、公用車でニューヨークにあるアイドルワイルド空港(現:JFK国際空港)に乗り付ける
其処を経由して、東京行の便に乗り換える際に襲撃すると言う指令
パレオロゴス作戦終了後、帰国途上のマサキを暗殺する計画であった
「工作員は、ルムンバ大学より選抜した外人留学生チームで行く。
そうすれば、KGBだと足もつくまい」
ルムンバ大学
正式名称をパトリス・ルムンバ名称民族友好大学といい、東亜、中近東、アフリカ、南米における共産主義伝播の為、設置された工作機関の一つである
戦前は、東方勤労者共産大学と称し、頭文字を取ってクートヴェ(КУТВ)
ここの卒業生は、支那、北ベトナム、インドネシアなどの共産主義運動を主導
日本も例外ではなく、少なからず影響を与えた
戦前の日共ではクートヴェ帰りに対し、羨望の眼差しを向けるほどであった
アルファ部隊司令官は、KGB長官の発言を取り持つ
「その暁には、木原の首であったものを用いて、蹴鞠遊びでもしようではありませんか」
車中に、男達の哄笑が響き渡った
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