第二部 1978年
ソ連の長い手
ミンスクハイヴ攻略 その1
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いた戦術機部隊を突入させる……
この様な最悪の事態を避けるために、帝国主義者の力を持って対応する。
何もやらぬよりはマシであろう」
今日までに実施した赤軍主導の軍事作戦は悉く失敗に終わった
この状況下で、ソ連単独によるハイヴ攻略などが実現したならば、どうであろうか……
ソ連の権威回復は確実であり、国際情勢に与える影響は絶大
そうなれば北大西洋条約機構に新規加盟する国家は居なくなる
その先に待つのは、統制による人類の結束……
其の事は、男にとって明らかな事実であるように感じていた
ほぼ同時刻、市内にあるKGB臨時本部の一室で会合が持たれていた
十数人の男達が、ある老人の一挙手一投足を注視する
「今回、GRUに先んじて日本の工作員と接触した」
NKVD時代よりの伝統を受け継いだ青みがかった緑色の制服を着て、青色の肩章を付る
制服姿の老人が、男達の前に躍り出る
「その際、写真投影装置を仕組んだ部屋に当該人物を招き、閾下知覚を通じて洗脳工作を実施した」
サブリミナル効果を施したことを暗示させる
衆目が、その男に集まった
「木原を爆殺させるよう、手投げ弾の写真を当該画像に紛れ込ませ、視聴させた。
成否はどうでも良い……、これにより日本は混乱するのは必須」
室内を忙しなく歩きながら言う
「其の隙をついて、最新型の戦術機部隊を差し向けた……。
読みが正しければ、ゼオライマーは出てこよう」
最新鋭戦術機搭載のタンカーを、密かに放った事を明かした
「よく手配出来ましたな」
眼光鋭く、その男を射すくめる
「鶴の一声よ……。小童共なぞ、如何とでも遇える」
男の委縮する様を見ると、ふと冷笑を顔に浮かべる
「話を元に戻すが、仮に木原が出てこなくても、出ざるを得ない様仕向ける……。
洋上決戦で、KGB戦術機部隊が敗北した場合は、ロケットを撃ち込む手筈になっている。
如何に大型戦術機とはいえ、核弾頭ロケットの前では消し飛ぶはず……」
ソ連国内に秘匿配備されたR-16 ミサイルを用いる事を説明した
二段式の液体燃料ロケットで、全長30メートル
ゼオライマー諸共、木原マサキを消す……
その様な情念の炎を燃やす男の様を、チェキストたちは遠巻きに見ていた
「同志諸君、これはソビエト存続の為の聖戦なのだよ」
男の声を合図に、室内に鯨波が響き渡った
ハバロフスク市中を移動する米国製リムジン
KGB長官の公用車として使われる車両の一つ
米国からの特別ルートを通じ、KGBで入手した物であった
「同志長官、お聞かせ願えますかな」
移動する車中で、特殊部隊『アルファ』司令官は、KGB長官に木原マサキ抹殺の理由を問い質した
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ