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星河の覇皇
第八十部第五章 秘密兵器その四十

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「敵の戦線を突破し戦力を粉砕し後はですね」
「機動力を以てです」
「敵の領内に深く攻め込んでいく」
「あの仙術の様にです」
「オムダーマン軍は攻勢を行いますか」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「戦争はこれからです」
「早期に終結しますか」
「おそらく、ティムール軍の反撃が出来る時は」
「シャイターン主席が起き上られた時」
 劉は強い言葉で指摘した。
「その時ですね」
「ですがその時はです」
「戦線は突破され戦力は粉砕され」
「そこから防衛ラインを再構築するには」
 それはというのだ。
「シャイターン主席といえど困難で」
「それで、ですね」
「戦線を再構築しても」
「もうその頃には」
「勝敗は決していて。ティムール軍のその時の戦力では」
「対抗出来ない」
「そうなっているでしょう」
 オムダーマン軍の攻勢で戦力を失っていてというのだ。
「ですから」
「戦争はもう」
「間もなくです」
 まさにというのだ。
「終わります」
「これから趨勢が完全に決して」
「例えば戦力が五分の一になり」
 八条はあえてこう例えた。
「そしてです」
「互角に戦えるか」
「それは無理ですね」
「今のティムール軍が戦力がそこまで落ちれば」
「最早ですね」
「オムダーマン軍とは互角にです」
「戦えなく」
「ティムール軍は敗れる」 
 このことが確実だというのだ。
「そうなります」
「左様ですね」
「とにかくです、サハラはです」
「オムダーマンの統一で、ですね」
「長い戦乱の時代が幕を下ろすことになるでしょう」
 近い未来にとだ、八条は言った。そうしてだった。
 会議の後で執務室に戻り書類仕事をしつつサハラの趨勢をリアルタイムで聞いた、そうして周りに言った。
「確実にです」
「確実にとは」
「何がでしょうか」
「サハラは間もなくです」
 こう言うのだった。
「統一されます」
「オムダーマンによって」
「そうなりますか」
「流石アッディーン大統領と言うべきか」
 八条はこうも言った。
「素晴らしい決断です」
「そしてその決断により」
「サハラはですか」
「オムダーマンにより統一されますか」
「そうなりますか」
「間違いなく」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 八条は執務を続けた、彼はもうわかっていた。オムダーマンがサハラを統一しアッディーンが皇帝になるということを。


第八十部   完


                    2019・3・19
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