精神の奥底
77 Revenge or Avenge
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だけさ。僕もさっき本屋で読んだ本で気づいた。デンサンシティの歴史、タワーについても詳しく載っていた。理論上は可能なはず」
「それだけじゃ…」
「彩斗くん、Valkyrieが発電所を乗っ取ったって」
アイリスは彩斗の考えを察した。
「そうさ。奴らは乗っ取ったが何かしてるわけじゃない。通常営業を続けている。乗っ取られたことは警察も電力会社すら把握できていないはずだ」
「じゃあ、何を?」
「誰かが計画に気づいて送電を止めたら、今度こそ計画が終わる。だから占領して何も騒ぎを起こさず、通常営業させているんだ。もしかしたら発電所の従業員も金で買収されてるかもしれない」
「だとしたら、タワーの営業を中止させるわ。キングに報告を…」
ハートレスがiPhoneに手を伸ばす。
だが彩斗の方が一手早かった。
「待って。こっちが感づいていると知れたら逃げられる」
「あなたの言う通りなら、今晩にでも街は大パニックになるのよ?」
「奴らが計画現れたところを一網打尽にするんだ」
「そんなの待ってられない」
「いいか、ハートレス。よく聞けよ?奴らを逃しても、きっと同じことを別の場所でやる!必ずだ!止めるだけじゃなく、ここで潰さなきゃならない!」
彩斗はハートレスに殴り掛かりそうな剣幕で迫る。
彩斗の頭にはミヤのことがあった。
Valkyrieの計画が成功させてはならない。
成功どころか、着手すらもさせてはならない。
デンサンシティをValkyrieが歩く最後の土地にしなければならない。
そんな強迫観念のようなものがあった。
「私は彩斗くんに協力する」
「私も兄さんの味方です」
アイリスとメリーも彩斗の気持ちを感じ取って、立ち上がりハートレスを鋭い眼差しで見つめる。
3対1、ハートレスが一気に劣勢に追い込まれた。
だが迫られたハートレスの反応は意外なものであった。
「…いい顔になったわね」
「は?」
「組織の人間であるということは、自分の気持ちを隠すことだと私は思ってる」
「何を言い出すんだ?」
「少なくとも私の知ってるあなたもそうだった。でも今はこうして組織のボスに報告しようとしている私に意見してる。少し大人になったって褒めてるつもり」
「気持ちは隠せても、行動まで隠せてない自分に似てきたって言いたいの?」
「そんな皮肉が言いたいわけじゃないわ」
「じゃあ、どんな?」
「陳腐な復讐心を捨てて、もっと大きな目的の為に動いてるなって。復讐者から正義の味方に進化したんじゃない?」
「そんな大げさなものじゃないさ」
彩斗とハートレスは軽く鼻で笑い合い、少し距離を置いて会話を続ける。
「これからどうするつもり?」
「いくつか調達しなきゃいけないものがあるから街へ出る。あと暁の居場所とサ
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