精神の奥底
77 Revenge or Avenge
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、そんな気がする」
「ちなみに何処に行っていたの?」
「海…」
「海?」
「白い砂浜広がっている海岸。多分、ニホンじゃない。少し見えた星座はニホンじゃ見れない。でも今まで行った覚えがない場所だった。多分、シャーロとか」
「シャーロ?」
ハートレスは一瞬だけ頭に何かが浮かびかけたが、思い出せずに軽く横に頭を振って思考をリセットする。
その間に彩斗はワイシャツを脱ぎ出した。
「ちょっ、彩斗くん?」
「ごめん、寝汗がひどくて、風邪引きそうだ」
先程、街で買ってきた服の中から白いTシャツを取り出して着た。
窓の外を見ると、先程までの太陽が照りつける夏日から一転して小雨が降っている。
気温もかなり下がり、彩斗はもはや半年くらい寝ていたような感覚すら覚えていた。
寒さを覚え、更にネイビーのダウンベストを着込む。
「で、どうやって戻ってきたの?」
「こいつのおかげだよ」
彩斗はミヤの日記の背表紙を指でなぞった。
「僕も聞きたいんだけど。君らこそ、僕に何かしただろ?薬?」
「スターダストの修正パッチをトランサーにインストールしたわ」
「修正パッチ?そんなもの何処から?」
「暁シドウが持ってきた」
「暁だって?あんなヤツが持ってきたものを僕の体で試したのか?僕の体を何だと思ってるんだい?」
「でも本物だったから、彩斗くんは目を覚ましたんじゃ?」
「そういう問題じゃな…い」
一瞬だけ彩斗の怒りのボルテージが上がりかけたが、背表紙から指先を伝って違和感を覚えてた。
「どうしました?」
「いや、何でも。そんなことより、Valkyrieの計画はまだ終わってない」
「暁も同じことを言ってた。ディーラーの施設に襲撃して武器を奪ったらしいわ。奴らの計画は頓挫してるはず。新しい計画を始めたってことかしら?」
「違う。最初からセカンドプランとして織り込み済みだったか、偶然気づいたかは分からないが、計画を続行する手段があるんだ」
「Valkyrieの街への武器の搬入なら断った。例の品物の代わりなら持ち込むことは不可能」
「持ち込む必要なんて無い。最初からこの街にあったんだよ」
「最初から予備があったってこと?あんな品物、2個も持ち込んだら何か証拠が残るはず。まさかディーラーの武器庫から盗んだものに、代用できるものがあったと?」
「違う。最初からこの街に代用できるものがあったんだよ。目立つものほど気づかないもんさ」
彩斗は立ち上がり、窓を開けた。
「まさか…」
「そう、デンサンタワーだよ。奴らはデンサンタワーを使ってパルスを街全体に広めるつもりさ」
ハートレスは面食らってしまう。
だが受け入れられず、反射的に彩斗の思い過ごしだと考えようとした。
「根拠は?」
「状況証拠
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