第二話
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し、下手すれば追い出されることだってある。
だから村人達は村に留まるだの、村と一緒に死ぬだのと始まって説得に時間を要するだろう、ということは容易に予想がつく。
これが愛郷心から出てるばかりじゃないってのが頭の痛いところなんだけどねぇ……。
「だからって何もしないわけにはいかないでしょ。とりあえず戻ろう」
状況は把握した。後は一刻も早く村人を逃がすだけ……なんだけど。
戻ってみたら案の定伊達の兵と村人達で言い争いになっていて、予想通り村を離れることが出来ないとか、
仲間がまだどうとか、そんな話を続けて説得が難航している。
「政宗様」
「おう、どうだった、二人とも」
「状況は切迫していると思われます。すぐにでも退避をしないと我々まで巻き込まれる可能性が高いです」
「やはりそうか……だが、どうするこの状況。危ねぇからとまさか村人を見捨てて戻るわけにもいかねぇだろ」
そりゃそうだ。そんなことをしたら何しに来たのか分からない。
「おめぇさ達は、城の人間だからおら達の村がどうなったって構わないだ!」
村人達もこちらの説得には応じず、助けに来たってのにそんな風に食って掛かるようにもなり、
一触即発の事態になりかかっている。
……ったく、気持ちは分かるけどさぁ。
「ちょっと、いい加減にしなさいよ!! 村が大事だ、仲間が大事だ、そんなのは分かってるわよ!!
こっちだって遊びに来てるんじゃないんだから!!
じゃあ聞くけど、あんたらがここに残って何が出来るわけ? あそこに埋まった仲間の掘り出しが出来るの? 村を土砂から守れるの?
最悪村が土砂に飲まれても、生きてさえいれば復興は出来る!
けど、皆揃って死んだらそれで終わりなのよ? そういうのが望みなの!?」
「だども、ここはおら達が生まれ育った村だ! 何も出来なくても見捨ててはいけねぇ!!」
これじゃ水掛け論もいいところだ。死んだらそれで終わりだってのに。
さてどうしようかと考えたところで、地面が微かに揺れていることに気付いた。そして、地響きのような音も聞こえる。
それが段々と静かに強くなってきたのを感じて、私は嫌な予感を覚えた。
「全員、山から離れろ!! 山が崩れる!!」
未だ作業をしている連中にも伊達の兵達や村人達に叫んだ瞬間、大量の土砂が山から滑り降りてきた。
作業している連中はあっという間に飲み込まれて、麓に本当に近い家々を潰して村全体を飲み込もうとしている。
くそっ……この頭の固い連中のお陰で……!
連中から離れて土砂が完全に村になだれ込む直前に、私は重力の力を全開にして土砂を押し留める。
しかし流石に山から下りてくる土砂を一人で留めるのは無理があったよ
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