暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜

魔法絶唱シンフォギア・ウィザード　〜歌と魔法が起こす奇跡〜

GX編
第109話：獰猛なりし獣の力
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うとした。

「逃がすか！」

　少年に向けて手を伸ばすウィズだったが一足遅く、少年は一際強い光と共に姿を消した。
　後にはウィズと颯人の2人だけが残される。

「チッ……」
「なぁ、ウィズ？　アーキタイプって何だ？」
「後で説明してやる。面倒な事になった」

　ウィズは心底面倒くさそうに呟くと、ハーメルケインを仕舞い代わりに颯人を俵担ぎした。

「イテテッ！？　お、おいウィズ、もうちょっと優しく持ってくれよ」
「うるさい。全く、随分と派手にやられたものだな。戻ったら説教の上に鍛え直してやる」

　ただでさえビーストに敗北してしんどいのに、この上ウィズからの説教に特訓まで加わると聞いて颯人の口から絞り出すような呻き声が上がる。
　そのままウィズは文句を言う颯人の言葉を無視しながら、転移の魔法でその場から姿を消すのだった。

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