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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第109話:獰猛なりし獣の力
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聞き覚えのある魔法に必殺技が来ることを察した颯人は、せめてまともに喰らう事だけは避けねばと立ち上がり同様の魔法を発動。
互いに右足に魔力を集束させると、相手に向けて飛び蹴りの体勢を取り叩き付ける。
「「ハァァァァァァァッ!!」」
ぶつかり合う両者の飛び蹴り。互いの魔力が拮抗し、ぶつかり合っているところからは火花が散っている。
今度は先程の様にはいかないと意気込んだ颯人だったが、先程の一撃が思いの外響いているのか踏ん張りが利かない。
結果、拮抗状態を破ったのはビーストの方であった。
「アァァァァッ!!」
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁあっ?!」
ストライクウィザードを打ち破られ、蹴り飛ばされた颯人は3度目の地面との激突に遂に限界を迎えた。起き上がる事も出来ず、そのまま変身も解けボロボロの姿をビーストの前に晒す。
「うぐ、うぅ…………」
「ふぅ……手古摺らせてくれたな。でも、これで終わりだ」
「ぐ……くそ……」
ダイスサーベルを手に近付いてくるビーストに対し、颯人は最早何も出来なかった。魔力も付きかけているし、ダメージが足に回ったのか満足に動けない。
正に万事休す…………と思った、次の瞬間――――
〈エクスプロージョン、ナーウ〉
突然ビーストの目の前に魔法陣が現れ、颯人に近付いていたビーストを爆発で吹き飛ばした。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ?!」
吹き飛ばされたビーストは、先程の颯人同様地面に倒れるとそのまま変身が解除された。変身が解けると元の少年の姿に戻っており、見た目が少年という事もあって痛々しい姿を晒している。
「ぐぅ……うっ!?」
「今のは……」
「生きているな、颯人?」
見覚えのある魔法の使用者は案の定ウィズであった。何時の間にか背後に居たウィズは、ハーメルケインを手にビーストに変身していた少年の前に立ち塞がった。
「小僧、貴様それはアーキタイプだな?」
「アーキタイプ?」
聞き覚えの無い単語に首を傾げる颯人を無視して、ウィズはハーメルケインの切っ先を少年に向けた。
「古の、既に失われた魔法使いである筈だ。それをどこで手に入れた? いや、そもそもなぜ使いこなせる? お前の背後に居る者は?」
矢継ぎ早にウィズが少年に問い掛けるが、少年は答える様子を見せない。血の滲んだ顔で、只管にウィズを睨み付けているだけだった。
「くっ……答えると思ってるの?」
「子供と言えど、私は容赦しないぞ」
「あ、そ」
そう言った直後、少年が何かを噛み潰すような動きをする。すると次の瞬間、少年の下にピンク色の魔法陣の様なものが出現した。
その魔法陣の意味が分かるのか、見た瞬間ウィズは慌てて少年に近付こ
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