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竜のもうひとつの瞳
番外編1〜いつきという少女 前編〜
第一話
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きだって話を生まれ変わる前に散々してたのよ?
それをどういうわけか、戦国BASARAの世界に突き落としてさぁ……そりゃ、政宗様の側にいられるけど政宗様違いだっての。
小さい頃は可愛かった弟はすっかりヤクザに成長しちゃったし、政宗様はルー語だし無駄にテンション高いし自分で言うほどクールじゃねぇし。
私の好きだった政宗様とは掠りもしないもんだから、あの小太り眼鏡に会ったらボッコボコにぶん殴ってやろうと心に決めていたりする。
……ま、小十郎が懐いてくれるからまだ耐えてられるけどもさ。

 それはさておき、そんなわけで竜の右目こと片倉小十郎とは生まれた時からずっと側にいて、
小十郎が武士になった今でも二人揃って政宗様に御仕えしている。側近としてね。

 一応小十郎から見れば姉なんだけど、伊達家では片倉景継という名を名乗って男として振舞っている。
それにはまぁ理由があるんだけど、神様が女を知らないせいで私の身体を女に出来なかったわけね。
だからって男だってわけじゃないんだけど、男でも女でもない不完全な身体で生まれちゃってさ。
この時代嫁ぐっていうのはその家の跡継ぎを産むってことだから、子供が産めないんじゃ嫁に行くことも出来ないし、
だったら出世出来る男として仕えると言い張って姉やら小十郎のコネを使って仕官を果たして今に至るわけなんだけど……
こういう事情があって今でも小十郎の側にいて、子供の頃同様に世話を焼いていたりする。

 小十郎を小十郎の部屋に押し込んで、早速服を脱がせて身体を拭いてやろうと襟に手をかけた瞬間、
面白いくらいに真っ赤になって部屋から追い出されてしまった。

 「き、着替えくらい自分で出来ます!! そっ、そのようなことは女子がしてはならぬでしょうが!!」

 「いいじゃん、アンタ弟だし。つか、私正確に言えば女じゃないし」

 「それでも駄目です!!」

 別にアンタの身体なんか見たって興奮しないよ。弟の身体見て興奮するほど飢えてるってわけじゃないしさぁ、
大体一体何年一緒に過ごしてきてると思ってんのよ。風呂だって一緒に入ってる仲じゃないの。
そりゃ、アンタの反応が面白いから風呂に入ったときは嘗め回すように身体見てやったり、
その無駄に張ったお尻とかスケベオヤジ張りに鷲掴みにしたりしてるけどさぁ、アンタに興奮したことは一度もありません。

 しばらくして着替えを済ませた小十郎がほんのりと顔を赤らめて部屋の戸を開けてきたので、
今度こそ中に入って濡れた髪を拭いてあげる。

 「畑の様子はどうだった?」

 「……状態が良いとは世辞にも。このまま降り続けば今年は収穫前に全滅でしょうな。
どうせ駄目になるのならば、と、ある程度収穫出来そうなものは収穫して参りましたが……納得出来る出来で
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