第67話 新たな物語の始まり
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ないよなぁ?」
レオンハルトは淡々と答えるが痩せ狼と言われた男は挑発するように目を輝かせる。
「……少しうるさいぞ。久しぶりに会ったが手合わせでもするか?」
「はっ、いいじゃねえか。猟兵生活でコソコソしてたからナマってるかもしれねえしな?俺が殺しあいって奴を思い出させてやるよ」
しつこく質問されたことに苛立ったレオンハルトが剣を構えると痩せ狼と呼ばれた男……ヴァルターは嬉しそうに拳を構えた。
「止めなさい、貴方たち」
だがそこに新たな人物が現れて二人に声をかけた。それは着物のような服を着こんだ美しい女性だった。
「『幻影の鈴』か。こうして会うのはいつぶりだ?」
「半年は会っていなかったわね。それよりも剣帝、痩せ狼、出会っていきなり戦おうとするのは止めて頂戴。貴方たちが本気で戦ったらこの基地が壊れてしまうでしょ?」
「そうよ、レーヴェは私とお喋りするんだから」
幻影の鈴と呼ばれた女性……ルシオラはレオンハルトとヴァルターに戦いを止めるように話すと、また誰かがそこに乱入してきた。しかも今までと違い明らかに幼い子供の声だった。
「レンか、また一段と腕を上げたんじゃないか?」
「久しぶりね、レーヴェ。貴方には聞きたいことが沢山あるの、だから私とお話しましょ」
レオンハルトは現れた少女をレンと呼び、彼女も彼に対して親しげに返事を返した。
「おいおい『殲滅天使』、そいつは今から俺と戦うんだ。横から割って入ってくるなよ」
「あら、貴方も興味が湧くお話だと思うわ。だって私が聞きたいのは貴方が気になっている子供の話だもの」
「ほう」
ヴァルターが不満そうにレンに横入りするなと言う、それに対してレンはふふっと妖艶な笑みを浮かべて自分が話そうとしているのは彼も興味が出る話だと話す。
「意外ね、貴方が他人に興味を持つなんて」
「当然よ。だって私はその男をどうしても殺してやりたいんだから。それもできれば残酷な方法でね……」
ルシオラはレンとそこまで親しい訳ではないが、知らない仲でもない、だから彼女が他人に執着するのを見て少し意外に思ってそう質問した。するとレンはその愛らしい顔立ちから想像もできないくらいの憎悪に染まった表情でそう返した。これにはさすがのルシオラも少し驚いた。
「かかっ、良い殺気放つじゃねえか。よっぽど恨んでいるみたいだな」
「ええ、私を裏切って幸せに生きてる……許せるわけがないわ」
「お前にそんな顔をさせるガキか、ますます気になるな。味見くらいはしてもいいか?」
「駄目よ、貴方直に熱くなって殺しちゃうじゃない。あいつは私が殺すの」
ヴァルターもレンとそこまで親しい訳ではないがいつも誰か
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