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おっちょこちょいのかよちゃん
209 雷の山の争奪戦
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 山口は勝利を確信したかった。
「私の秤で公平なように調整したのだが・・・」
 ジャンヌは秤で双方の戦力が水平になるように調整していた。その場にアルバートの姿はなかった。
「姿が見えねえ・・・」
 その時、ジャンヌの秤が左に傾いた。
「な、我々が不利な状況に陥っているだと!?これはどういう事だ!?」
 ジャンヌは周囲を見回す。だが、アルバートの姿はない。その時、ヤス太郎が出した草玉が消え、皆の周りを何かの光線が襲った。すみ子が咄嗟に銃で弾き返した。
「・・・ったく、何て酷い方々なのかしら」
「父上をこんな目に遭わせて!」
 二人の女性がその場にいた。
「だ、誰だ!?」
 さらにその後ろには姿を消していたアルバートが背後にいた。
「ふふ、助かったよ。我が娘、アリスとヘレナだ」
「何、娘だと!?」
「向こうに援軍が来てしまえばもっと厄介・・・。私も本領発揮させていただく!」
 ジャンヌが神の声を聞こうとする。
「ジャンヌよ・・・」
「その声は・・・聖マルグリット・・・!!」
「あの者は、神の声を聞く事ができるという女ね!」
「ヘレナ、やっつけるわよ!」
「この十字架を使え・・・!!」
 ジャンヌの手にいつの間にか十字架が持たされていた。アリスとヘレナ、さらに二人の父・アルバートが纏まって襲ってくる。すみ子がまた銃で迎撃した。
「同じ手が二度通用するか、バカ娘が!」
 アリスがティアラのダイアモンドを触る。すみ子が銃で出した壁が粉々にされた。
「もう駄目・・・!?」
「これでも喰らえやんす!」
 ヤス太郎が火薬玉を飛ばした。しかし、簡単に防御された。
「ヘレナ、やったわね」
「えへへ」
 ヘレナは十字架を持っていたのだった。
「よし、こっちからの攻撃だ!」
 アルバートが剣を突出す。雷の山の力を借りた力ではない、別の力が来る。強風がすみ子達を襲う。
(や、やられる・・・!!)
「この剣の風を喰らったら異能の能力(ちから)を持っていてもひとたまりもないぞ!」
「な・・・!」
 エレーヌの能力静止も解除の舞いも通用しなかった。これでは纏めてやられてしまう。
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