スワンプマン
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たかのように思える人魚のファントム、マーメイド。さやかがいた位置には、そんな人外の怪物が立っていた。指揮棒のデザインが盛り込まれたレイピアを振るい、怪物の触手がまどかに触れないように刺していく。
「あれは……人魚の魔女……? 違う……でも、似てる……」
ほむらの呟きは、まどかには聞こえなかった。
人魚のファントム、マーメイド。彼女はマントを翻し、ゴングリーへ接近する。
さきほどのさやかの動きとは比べ物にならないほど素早い動き。そこから繰り出されるレイピアの連続突きに、ゴングリーの動きも大きく鈍らされている。
連続突きに、やがてほむらを拘束する触手が解かれる。地に落ちたほむらは、そのまま尻餅をついた。
「うっし!」
上空でガッツポーズを取るマーメイド。
だが、激昂したゴングリーは、マーメイドに完全に狙いを変更した。
二本の触手を放ち、マーメイドの腹を貫く。
「がはっ……!?」
悲鳴を上げるマーメイド。
さやかと同一の声の悲鳴に、まどかは顔が真っ青になるが、それを掻き消すように、マーメイドの姿が消えていく。
「嘘……」
「やはり幻影の能力はあるのね……」
まどかとほむらのそれぞれの声。
そして、ゴングリーの足元の地面の中から、マーメイドの姿が飛び出てきた。
鋭い刃でゴングリーの胴体を切り裂きながら上昇。そのマーメイドの姿、その下半身は魚のそれと同じ形をしており、天に浮かぶその姿は、文字通り人魚のように見えた。
「うおりゃああああああああああっ!」
親友と何一つ変わらない息巻いた声で、マーメイドはレイピアを振り下ろした。
鋭い突撃により、ゴングリーは大きく後退した。
マーメイドはそのまま、レイピアを掲げる。すると、夕焼けの森に、雨が始まった。
一日中晴だったはずの空を水空が支配していく。雨粒の一つ一つが針となり、強烈な勢いでゴングリーに突き刺さっていく。
全身に大きな針穴を開けたゴングリーは、フラフラになりながらもまどかを___アカネが命じたターゲットを睨んでいた。
だが。
「転校生!」
マーメイドから発せられる、さやかの声。
それに頷いたほむらは、応じた。
マーメイドが雨を降らせている間に、ほむらが仕掛けた罠。
それは、周囲の木々の合間に、ワイヤーを張り巡らせることだった。
「これで……終わりよ!」
ほむらが腕を引く。
彼女の手に巻かれたワイヤーがトリガーとなり、ゴングリーの周囲の木々を蜘蛛の巣のように交差される罠が起動した。
一瞬でゴングリーに絡みつくワイヤー。そして、そのワイヤーには無数の手榴弾が括りつけられていた。
「……ふん」
ほむらが手のワイヤーを離す。
すると、ゴ
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