第九十四話
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してくれたもんだから、何か嬉しくって泣きそうになっちゃったよ。
だって、こうやって誕生日祝ってもらうのなんて初めてだもん。くどいようだけど。
たくさん無双の政宗様グッズを渡されて、そんなに無双が好きだと思われてんのかと呆れもしたけど、まぁ……いいっか。
こうやってプレゼントしてもらえるなんて思わなかったもん。
ふと、仲間の一人がくれたプレゼントに手が止まる。
「戦国BASARA、結構面白いよ〜」
「え〜、だって小夜香って無双派じゃん! BASARA否定派じゃないの?」
「そんなことないよ、BASARAは結構好きだよ」
……うん、BASARAは結構好きだ。今は無双よりも、ずっと好きかもしれない。
早速やろうぜとそんな盛り上がりでPS3を引っ張り出して、プレイをする。
ひっさびさにやるBASARAはなかなかなもんで、私の華麗な小十郎捌きに皆が感嘆の声を上げてるくらいだ。
「へ〜、小夜香上手いねぇ〜」
「小十郎使いを目指してるからね」
「何それ」
この中で片倉小十郎の姉をやってました、なんて言ったところで、それ、何の妄想? と言われるのがオチだろう。
……相変わらず厳ついなぁ〜……確かに踊ってるみたいだってのが分かるくらいにモーション綺麗だけどさ。
少しだけ、あの世界が懐かしくて寂しくなる。
「小夜香?」
友人の一人が心配そうに声を掛けてきたところで、玄関のインターホンが鳴った。
「おおっと、煩いから静かにしろっていう苦情かな?」
とりあえず携帯を持って玄関へと向かう。すると、その途中で携帯に一通のメールが届いた。
差出人は神様だ。件名はちなみにない。
『ハッピーバースデー、そしてメリークリスマス! 何とか今日中にプレゼントを用意出来たから、そっちに贈るよ。気に入ってもらえると嬉しいんだけど』
はて、プレゼント? 送った? ってことは、このインターホンは宅配のお兄さんか? あ、お姉さんでもいいけど。
「はいは〜い」
とりあえず玄関の戸を開けて出てみると、そこには酷く見覚えのある男が立っていた。
長身でそれなりにガタイが良く、オールバックなその強面の左頬には刀傷のような傷があり、私を見て穏やかに微笑んでいる。
「な、ちょ……何で?」
だって、この人は絶対に現世にはいるはずのない人間だもん。画面の向こうにいるはずの人間なのに、何で?
「……あの世界とは名が違うので、間違ったかと思いました。二十二年ぶり、ですか。……お久しぶりです、姉上」
「小十郎、何でいるの。だって、アンタ」
「魂を持ってしまった者はそのまま留まることは出来ないと、こちらの世で
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