第六百五十七話 お姫様その十三
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「そのお家に生まれないとね」
「なれないわね」
「だからね」
この条件があるからだというのだ。
「アイドルより数が少なくて」
「なりにくいわね」
「結婚して入ってもね」
その皇室や王室にというのだ。
「奥さんになるから」
「お姫様じゃないわね」
プリシラはまさにと言いつつウイスキーを飲んだ。
「それだと」
「そうでしょ」
「ええ、残念ながらね」
「だからね」
それでというのだ。
「お姫様はレアなのよ」
「アイドルよりも」
「そうでしょ、ただね」
「ただ?」
「エウロパのお姫様はお断りよ」
エイミーは連合の敵であるこの国についてはこう述べた。
「どうせ性格悪いでしょうから」
「貴族だからね」
「それは当然よね」
「言うまでもないわね」
プリシラだけでなくペリーヌとカトリも頷いた。
「エウロパ人自体がそうだしね」
「その中でも特に貴族となると」
「おまけに爵位持ってるとなると」
「究極に性格悪いわよ」
意識せずに偏見丸出しで語った。
「悪役令嬢みたいなのばかりよ」
「それに対して連合のお姫様って穏やかよね」
プリシラは自分達の国についてはこう述べた。
「あっちが悪役令嬢ならね」
「こっちはね」
エイミーは応えた。
「正統派ヒロインよ」
「主役のね」
「相手は実力もなく威張り散らしていて」
そうしたタイプの悪役令嬢でというのだ。
「こっちはね」
「いつも努力していてね」
「密かな実力がある」
「そうよね」
「お務めをいつも果たされているから」
それだけにというのだ。
「もうね」
「純粋なね」
「努力を積まれているから」
まさにというのだ。
「もうね」
「能力も備えておられる」
「正統派ヒロインよ」
「礼儀正しくて謙虚で公平な」
「そうしたね」
「まあ王様がお笑いな場合もあるけれど」
ケベック王のことだ、この王は温厚篤実で教養豊かであるが大食漢で野暮ったい外見からこう言われて愛されているのだ。
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