第二十一話 梅雨が近付いてその五
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「ちゃんとね」
「奇麗にするといいのね」
「お部屋もね」
「兎に角全部奇麗にするといいのね」
「そうよ、清潔は七難隠すよ」
「そういう理由なのね」
「虫刺されもよくないでしょ」
娘にさらに言った。
「そうした跡があるって」
「蚊ならまだいいけれど」
「そう、ムカデとかはね」
「よくないわね」
「幾ら何でも蜂の巣はないけれど」
「そこまでいくと自然ね」
留奈もそれはないとした。
「流石に」
「そうだけれどね」
「あまりにも汚いとなのね」
「そうなるのよ」
「自然の状況になって」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「蜂の巣だってね」
「出来るのね」
「あんまりだとね、まあここまで汚いとかないけれど」
「普通はね」
「けれどお部屋に蜂の巣なんて嫌でしょ」
「絶対にね」
「それで虫に刺されることも汚れることも」
そうしたこともというのだ。
「嫌でしょ」
「どれもね」
「だったらね」
それならというのだ。
「お部屋のお掃除もよ」
「することね」
「そう」
こう言うのだった。
「いいわね」
「奇麗になってもてないならまずは清潔さから」
「そうよ、昔のフランス貴族なんか論外よ」
「何年もお風呂に入らないとか」
「しかもベルサイユ宮殿みたいな場所にいるとか」
「あそこおトイレなくて」
「おまるとかはあったけれどね」
それでもであったのだ。
「数が足りなくてお庭とかお部屋の端でね」
「おトイレをしていて」
「物凄く臭くて」
この話は今にも伝わる程である、だが流石に今は中にトイレも設置されているのでそうした心配はなくなっている。
「汚かったのよ」
「想像出来ない位汚そうね」
「そんな中にいたらよ」
「お風呂に入らないでとても汚い」
「わかるわよね」
「どんなに着飾ってももてないわね」
「今だとね」
現代の日本ではというのだ。
「髪の毛をセットしたら何ヶ月もそのままで髪の毛も洗わないのよ」
「虱多そうね」
「虱だらけの頭でもてる筈ないでしょ」
「というかいること自体嫌だから」
留奈は今度は即答で応えた。
「もうね」
「そうでしょ、もてる筈ないし」
「自分でもね」
「どんな美人でも頭に虱がいたらね」
「もてないわね」
「そして自分も痒いから」
「滅茶苦茶嫌ね、そうした意味でも清潔jにしないといけないし」
留奈は母の話をここまで聞いて述べた。
「清潔にしてると奇麗になって」
「それだけでね」
「もてるのね」
「だからいいのよ」
「本当に清潔にしてこそなのね」
「もてる原点に立てるのよ」
「そういうことね」
母のその言葉に頷いた。
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