第二十一話 梅雨が近付いてその二
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「八条学園に白の詰襟とブレザーもあるでしょ」
「ああ、白ランね」
留奈は通称で応えた。
「恰好いいわね」
「あれ元々海軍さんの軍服だったのよ」
「それ聞いたわ、今海自さんで着ているのね」
「普段は半袖の生地が薄い服でね」
これを略装と呼ぶ、こちらも八条学園の制服の一つである。
「特別な時にね」
「あの白ラン着るのね」
「半袖の方も汚れ目立つけれど」
「白ランもなの」
「だからね」
その為にというのだ。
「あの服は何かと大変なのよ」
「実際に着たら」
「そうよ、少し着たらね」
そうしたらというのだ。
「クリーニングに出す様な」
「そうした服なの」
「そう、白い服はね」
「汚れが目立つのね」
「下着は尚更そうよ」
肌に直接身に着けるだけあってというのだ。
「白だとね」
「そうなのよね」
「まあそれは毎日着替えて洗濯したらいいわ」
「汚れが落ちるわね」
「あんたどの下着でもそうしてるけれどね」
「だって汚いから」
留奈は即座に答えた。
「そうしないとね」
「そうよね」
「だからね」
「毎日着替えてるわね」
「さもないとお母さんも言うでしょ」
「当り前よ、特にあんたは女の子よ」
母は留奈に咎める様にして告げた。
「だから余計によ」
「そうするわよね」
「本当にね」
実際にというのだ。
「そうするわ」
「若し着替えないと」
「下着は毎日着替えてお風呂に入る」
この二つのことはというのだ。
「当然のことよ」
「やっぱりね」
「だからね」
「怒るのね」
「あんたが若しそうしたらね」
「そういうことね」
「ましてうちはお父さんもいるし」
母はさらに言った。
「お兄ちゃんもいるでしょ」
「男の人もいるから」
「尚更ね」
「そうしたことは気にすることなのね」
「そう、異性の目も気にすることよ」
このことも言うのだった。
「それも女の子として大事よ」
「そうなの」
「そうしたら清潔なこともいつも気にするからね」
それでというのだ。
「いいのよ」
「そうしたものなの」
「さもないと彼氏さんが出来ても」
「不衛生にしてるの」
「流石に不潔な女の子なんて駄目でしょ」
「論外よね、女の子って匂いきついしね」
留奈はこう母に返した。
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