過去編 ウルトラピルザファイト
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れば、アキレスの全身を固めるプロテクターすらも溶かしてしまうほどの火力。その勢いを目にしたアキレスは、咄嗟に横に転がり退避する。だが、炎は地を転がるレッド族の巨人を執拗に追いかけていた。
(やられるッ――!?)
回避すら間に合わないほどの速さで迫る炎に、アキレスは死を覚悟する。
だが、次の瞬間。
『ピルザウォールッ!』
『……ッ!?』
炎からアキレスを庇うように現れた巨大な影が、彼の視界を塞いだかと思うと。炎の勢いは、謎の声の主が発生させたバリヤーによって、完全に防がれてしまうのだった。
『フッ……どうやら今回ばかりは、この私の手助けが必要だったようだな!』
『あ、あなたは……!』
やがて出し尽くされた炎が消えて行き、役目を果たしたバリヤーも霧散して行く。そして、その防壁を作り出していた「シルバー族の巨人」の勇姿も、ついに露わになるのだった。
「あれは……! アキレスと同じウルトラマン……なのか!?」
「いえ……しかし、あの姿は……!?」
だが、上空を飛行している戦闘機のコクピットからその姿を目撃していた弘原海と琴乃は――なんとも言えない表情を浮かべていた。
ボディの模様をはじめとする基本的な外観は、初代ウルトラマンに非常に近しい。だが、問題はその恰幅の良過ぎるボディにあった。
太い。凄まじく太いのである。間違いなくウルトラマンなのだが、ただひたすらに太いのだ。筋肉質かつ均整の取れている体型がほとんどであるウルトラ戦士の中において、そのシルエットは一際異彩を放っていた。
「……デブ過ぎない?」
それが、間一髪のところでアキレスの窮地を救った巨人――「ウルトラマンピルザ」に対する、弘原海と琴乃の第一印象であった。
一方、当のピルザ自身はそういう眼で見られることなど、とうに慣れているのか。地球人達の視線を気にすることなく、肩越しにアキレスの方を見遣っていた。
『久しぶりだな、アキレス! 見ない間に随分と立派になったようだが……少しばかり肉付きが足りていないようだな? 鍛えることはもちろん大切だが、しっかり食べることも忘れてはいかん! それでは一流のウルトラ戦士にはなれんぞッ!』
『ピ、ピルザ先輩は食べ過ぎなんですよ……』
『ハッハッハ、おいおい褒めても何も出ないぞ! 私の腹は出ているがな!』
かつての後輩の成長ぶりを豪快に喜ぶピルザは、微妙な反応を示しているアキレスの様子も意に介さず、ふくよかな腹をだぷんだぷんと揺らしている。一方、火炎放射を出し尽くしてしまったスカイドンは、ピルザを無視して進行を再開しようとしていた。
『あいつ、炎を切らしてるのにまだッ……!?』
『なるほど、スカイドンか……確かに今のお前には荷が重かったかも知れんな。良かろ
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