過去編 ウルトラクライムファイト
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凌いでいた。
鉄拳の乱打を浴びながらも、一歩も下がることなく耐え抜いていたパンドンは、カウンターのボディブローをザインの腹部に叩き込んだのである。
先ほど有彩に刺された、腹部を。
『……グゥアァアッ!』
その痛みにダウンし、のたうち回るザインを冷酷に見下ろすパンドンは、追い討ちの蹴りを入れ続けていた。
ウィークポイントとなっていた腹部を庇おうとするザインは、激しく頭部を蹴られ、額のエネルギーランプを割られてしまう。
「くッ……! あのバカ弟子め、いつになったら私の命令を聞く気になるのだッ!」
そんなザインの窮地を目の当たりにしていたユウタロウは、有彩を他の警官隊に引き渡した後――即座に現地に駆け付けていた。
その腰に提げていた白銀の拳銃「クライムリボルバー」を引き抜いた彼は、そこに素早く「ウルトラバレット」と呼ばれる銃弾を装填する。
「クライム・イグニッションッ!」
そして、シリンダーを回転させながら――その雄叫びと共に天に向けて、引き金を引いた瞬間。
弾丸のようなオーラと共に「ぐんぐん」と飛び出して来たシルバー族の巨人が、颯爽とザインの前に降り立つのだった。
『シュアァッ!』
銀色を基調としつつも、ネイビーの紋様が入ったボディを持つ「ウルトラマンクライム」。ウルトラセブンを想起させる顔つきを持つその巨人のカラータイマーは、ウルトラマンメビウスのような形状となっていた。
彼は着地と同時にパンドンに向かって飛び掛かると、火炎放射を掻い潜りながら素早く組み付いて行く。そして生身のウルトラマンでありながら、サイボーグのボディを持つザインよりもさらに強力なパンチを叩き込むのだった。
『アトミック――クライムッ!』
ウルトラマンタロウが得意としていた「アトミックパンチ」を彷彿とさせる、大型貫通爆弾の如きストレートパンチ。その一撃は強化されたパンドンのボディすら、発泡スチロールのように容易く貫いていた。
その衝撃とダメージに絶叫し、激しく転倒する双頭怪獣。そんな光景に生き延びた都民達が歓声を上げる中、ザインはようやく立ち上がっていた。
『クライム教官ッ……!』
『……今さら退けと言っても、どうせお前は聞かんのだろう? ならば最後の一撃くらいは付き合って見せろ、この私に逆らったからにはな!』
『……はいッ!』
教官の言葉に奮起するザインは、両脚を震わせながらもザインスラッガーを投げ、パンドンの胸に刃を沈ませる。
さらに、そのままスペシウムエネルギーを凝縮させた二つの光球を合体させ、一つの「弾丸」を形成していく。
一方、クライムは拳を握った右腕を突き上げ、そこから右腕と左腕をX字に交差していた。さらにその体勢から、ウルトラ戦士の基
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