暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
外れた世界へ
一章 「訪れた最期」
[6/6]

[9] 最初 [1]後書き [2]次話
ら……。
だが…それは理由にならない。
「もともと死ぬ身だし盾ぐらいにはなる、それに言っただろ家族を守るって」
その一言で遠坂はようやく了解してくれた。
「そう……もう何も言わないわ」
そう言って遠坂は俺と背中合わせに立つ。
背中越しに小声で伝える。
「合図で何か煙幕替わりの物を焚いてくれ。その隙に魔力を出来るだけ抑えて脱出するんだ」
返事はない。
いや、返事をするまでもない。
何故ならば、今、俺と背中合わせに立つのは遠坂凛だがらだ。

視界は戻るが、敵の姿は見えなかった。
辺りにはゴーレムの残骸が飛び散っている。
敵は恐らく、周囲の樹のどれかに潜んでいるだろう。

「話しは終わったか?」

またこの声だ。
一体何者なのだろうか?
声のする方に向くとそこには屈強な老人が立っていた。
「全く、恩人を放ったらかして話を進めないで貰いたいものだな」
俺を見るなり老人は笑いを隠せないようだ。
「はい?」
訳が分からず遠坂を見ると、そこには目を点にしている女性が一名。
「――なッ!? だだだっ大師夫!? どうして此処に!?」
大師夫――キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ
本物の魔法使いが、何故こんな場所に?
「なに、絶滅危惧種の『正義の味方』がまた一人殺されると聞いてな」
これを利用しない手はないだろう……とゼルレッチは言う
「利用? ……どういう意味だ?」
俺なんか、お呼びじゃない位の地位に付いていると言うのに。
「とにかく此処では邪魔が入るやもしれぬ、場所を変えるぞ」
ゼルレッチはそう言って、俺達が来た方角と逆に歩き始めた。
俺はその後ろに付いて行くが、約一名、どうも納得がいかない様だ。
「ちょっと! 私の覚悟を返しなさいよ!!」
ガオー、と唸りを上げてこちらを威嚇している

「まぁ気持ちは分からなくもないけど、落ち着けって遠坂」

道中、遠坂を宥めるのに苦労しそうだ……

[9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ