第五幕その五
[8]前話 [2]次話
「真田幸村さんですね」
「左様、あの者もな」
「源次郎と呼ぶべきですか」
「本来はな、まあ豊臣秀吉と呼ばれるにも慣れたからな」
「それでもいいですか」
「それもまたな」
こうジョージに言うのでした。
「よい、それでお主達昼飯はどうする」
「お昼ご飯ですか」
「もう食ったか」
「いえ、まだです」
王子はすぐに答えました。
「このお城を出てからと思っていました」
「そうか、では通天閣の方に行ってじゃ」
そうしてとです、秀吉さんは王子にお話しました。
「そしてな」
「そうしてですか」
「串カツを食わんか」
「串カツですか」
「どうじゃ、ビールか焼酎で一杯やりながらな」
そうしつつというのです。
「どうじゃ」
「そうですね、串カツはこれからと考えていましたが」
王子も応えます。
「それなら」
「うむ、共にな」
「串カツを食べましょう」
こうお話してでした。
一行は秀吉さんに案内されてでした。
通天閣の下にある繁華街の中にある串カツ屋さんに入りました、そして二度漬け厳禁のソースと食べ放題のキャベツがある庶民的なお店に入ってです。
皆で食べます、そうしてでした。
王子は串カツについても言いました。
「これもまた」
「美味いのう」
「豚肉のものも美味しいですが」
「色々あるじゃろ」
秀吉さんも串カツを食べています、見れば小柄ですがかなりの食欲です。
「キスに海老、烏賊に蛸に貝にな」
「茸やソーセージも」
「色々あるからじゃ」
それでというのです。
「好きなものを食べるのじゃ」
「そうしていいですね」
「この店ではな、そしてな」
「そして?」
「串カツを食い過ぎて胸焼けすれば」
その時はというのです。
「キャベツを食うのじゃ」
「キャベツはその為のものですか」
「そうじゃ、ではな」
「串カツをですね」
「食うのじゃ、酒も飲んでな」
こう言って実際にでした。
秀吉さんは大きなジョッキに注がれている白い泡のビールもとても美味しそうに飲みます。そうしてです。
飲んで食べる中で王子に言いました。
「それでお主じゃが」
「何でしょうか」
「今度宴を開くそうじゃな」
「ご存知ですか」
「ははは、わしの耳は地獄耳じゃ」
驚く王子に笑って返しました。
「だからじゃ」
「それで、ですか」
「その話は聞いておる、面白そうじゃな」
「ではよかったら」
「わしも行ってよいか」
「そうしてくれますか」
「それは有り難い、楽しいことならじゃ」
是非にとです、秀吉さんは応えました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ