第五幕その一
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第五幕 太閤さんと粋な作家さん
一行はその街に着きました、その街はといいますと。
五層七階の青緑の瓦の天守閣があるお城があって色々な色に光る鉄筋の塔にです。
河豚の模型の看板、動く蟹のそれやエイリアンそれに紅白の縦縞の服を着たおじさんのそういったものがあって。
色々な生きものがいる動物園に五重の塔のある仏教のお寺、とても広い海の神様を祀った神社がありまして。
街のあちこちを川が流れていてお堀があります、そしてとても橋が多くて庶民的な家が建ち並びお店も人も一杯です。
その街に入ってです、王子は目を輝かせました。
「いい街だね」
「そうでしょ」
王女が笑顔で応えました。
「この街は」
「賑やかで活気に満ちていてね」
「独特の文化があるわね」
「日本の趣でね」
それでいてというのです。
「その中でも独特だね」
「そうでしょ、これがなのよ」
「この街の魅力だね」
「そうなの、では今からね」
「カレーを食べるんだね」
「まずはね、けれどね」
「けれど?」
「この街はそれだけじゃないのよ」
ご飯をルーが最初から混ぜられているカレーだけではないというのです。
「善哉のお話もあったでしょ」
「この子達が言っていたね」
王女にジョージ達を見つつ答えます。
「そうだったね」
「その善哉はお椀が二つよ」
「そのお話もしていたかな」
「名付けて夫婦善哉よ」
「ああ、二つだから夫婦だね」
「そしてね」
それでというのです。
「鰻も食べられるわ」
「そうなんだね」
「そちらは鰻がご飯の中に隠れているの」
「そうなんだ」
「そうした鰻丼で」
それでというのです。
「これも名物よ、あと河豚や蟹の模型の看板があるけれど」
「蟹は動くしね」
「河豚や蟹も名物だし」
「美味しいんだね」
「あとラーメンもあるわ」
見れば立ち食いですが座る場所があるラーメン屋さんもあります。
「餃子や肉まんを売っているお店もあるし」
「実際にあるね」
「アイスキャンデーもあるわよ」
「そちらの甘いものもあるんだね」
「おうどんもあるよ」
モジャボロは笑ってこのお料理をお話に出しました。
「きつねうどんがね」
「あの塔は通天閣というけれど」
教授は塔を見て言いました。
「あの下の辺りの繁華街の串カツ屋さんもいいんだよね」
「忘れていけないのがお好み焼きとたこ焼きだね」
モジャボロの弟さんも言います。
「この街に来たら。いか焼きもあるしね」
「ここは食べものの街なのかな」
王子はここまで聞いて思いました。
「実は」
「そうよ、お寿司はバッテラというのもあるし」
王女がまた言ってきました。
「だからこの街に来たからには」
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