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あいらぶらざー!
失恋する姉
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母さんの手を握った。



涙ぐむ目で見つめる。



設定はこう。



「昨日ね、ノエルが夢枕に立ってね、姉さんに会いたい、って泣くの…そしたら神様の声が『弟を愛しく思わば、行け』って。あたし、ノエルに会いたい。行かなきゃならないんだと思う。」



「そんなの、嘘だ!絶対にサラを行かせるなよ、母さん!」



ジャンが叫ぶ。



母さんは難しい顔で腕を組んでいた。



はぁ、と息をついて顔をあげた。その目には涙が光っている。



「ノエルが、ねぇ…。あんなに大人しく良い子が、なんで、とも思ったけれど…神のお導きなら…あたしもそろそろあの子に会いたい…サラ」



「はい」



「気をつけて、行っておいで。くれぐれも、無茶はしないこと」



「はい、母さん。きっと、ノエルと一緒に戻ります」



「母さん!」



後ろで兄弟たちの悲痛な叫びが聞こえた。我が家は母さんが掟。決まりだ!



よっし!母さん、待っててね、ノエルをちゃんと探して、連れてくるからね!



そしてノエルには悪いけど、こっちが本命!失恋の痛手を、癒さなきゃ!隣のうちでレアンオン兄さまが奥さんと…いちゃいちゃしてるのなんて…ぜっっったいに、見たくない!



少なくとも1年は帰らないんだからね!くすん。



「サラ!」



ジャンがあたしに走り寄って、手を握った。



「俺も行く。止めるのが駄目なら、俺も」



「神様はこうおっしゃいました。『汝、誰の助けも借りず為せば、成らん』」



「そんなの、サラの嘘だ」



「あたしは神様を疑うような子に育てた覚えはありません」



「ジャン!女々しい男だねぇ。こういうときは、スカッと潔く見送るもんだ。あんたたちも!いつまでも泣いてんじゃないよ」



「ほら、ジャン。いいかげんお姉さん離れしなきゃね。あたしも、良い機会だから兄弟離れできるように、頑張ってみるよ」



「サラ!」



「またね」



こうしてあたしは、失恋の痛手を癒す旅…とと、ノエルを探す旅に出たのでした。
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