第61話 エル=ファシル星域会戦 その5
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」
「恐縮です」
「では君の作戦案の詳細を提示してもらおう。詰めるところは多くありそうだからね」
まだまだ無精髭といったレベルの顎を撫でながら、未来の第八艦隊司令官はそう言うのだった。
◆
四月二八日二二〇〇時。ネイサン=アップルトン准将率いる第三四九独立機動部隊五九八隻(内戦闘艦艇 五四八隻)は、本隊と離れて一時的に星系外縁部へと離脱を開始した。これに加え第四四高速機動集団より分派した第八七〇九哨戒隊二〇隻、および拿捕した帝国軍艦艇の内で一応の運航が可能な三〇九隻が、艦隊より選抜された帝国語の堪能な搭乗員と共に同行する。地上軍からも所属する全ての白兵戦部隊(二個大隊)が派遣され、この時点を持って俺の連絡将校としての任務は一時的に解消された。
また同時にセリオ=メンディエタ准将率いる第五四四独立機動部隊のうち三〇三隻が、損傷艦艇三〇八隻および捕虜となった帝国艦隊の乗組員を連れて、後方エルゴン星域ウォフマナフ前進基地へ向かうこととなる。同行艦が多いのは運行要員をこの作戦に搾り取られた為、第五四四独立機動部隊は十全な戦闘運用ができなくなってしまったからだ。所属する残りの二〇〇隻には僚艦から兵員を充足し、第四四高速機動集団の第四部隊として運用される。メンディエタ准将は先程の艦隊戦で残念ながら僅差で損害率がビリだったので、残念ながらババを引いた形だ。
現時点におけるエル・ファシル星系に駐留する同盟軍『防衛』戦力は
第四四高速機動集団 アレクサンドル=ビュコック少将 以下 二四七〇隻(内戦闘艦艇二二〇八隻)
第三五一独立機動部隊 クレート=モリエート准将 以下 六〇一隻(内戦闘艦艇 五七七隻)
第四〇九広域巡察部隊 ルーシャン=ダウンズ准将 以下 五一一隻(内戦闘艦艇 四九九隻)
となる。
また地上軍は一部の偵察隊を惑星エル・ファシルに降下するにとどめ、戦力の大半を軌道上と軌道航法センターにのこすこととした。
翌二九日〇六〇〇時。作戦『エル・ファシルの霧』は司令官アレクサンドル=ビュコックによって発動された。
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