第二十話 楽しく食べられるその十六
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「それまで眼鏡必要なかったのに」
「急に落ちたのね」
「そいうなったから」
だからだというのだ。
「ちょっと落ち込んでるわ」
「視力が落ちてもなのね」
「健康じゃなくなったってね」
その様にというのだ。
「ひいお祖父ちゃん落ち込んでるわ」
「それでその分なのね」
「幸せじゃないかもね」
「そうなのね」
「身体の何処か悪くてそれが辛いとか嫌とか思ったら」
ここでまたかな恵が言った。
「もうそれでね」
「幸せじゃないのね」
「そう思うのかもね」
「そうなのね」
「だからね」
かな恵はさらに話した。
「幸せってね」
「結構ちょっとしたことでなくなるのね」
「傍にあってね」
「そんなものなのね」
「うん、ただね」
ここでかな恵はこうも言った。
「例え北朝鮮とか内戦とかね」
「もう不幸の原点よね」
「そうしたところにいたらね」
「何時死ぬかわからないから」
「そこにいても本人さん自体が幸せって思ったら」
それならというのだ。
「もうね」
「それでなのね」
「幸せかもね」
こう言うのだった。
「その時点で」
「そうしたもの?」
「そうかもね、本人さんがそう思うなら」
自分を幸せとだ。
「それでね」
「幸せなのね」
「そうかもね」
「本人さん次第なのね」
「幸せってね」
「そうなのね」
「そうも思ったわ、今」
こう一華に話した。
「お話してるうちに」
「ううん、そんなものかしら」
「ええ、どう見ても北朝鮮にいたら不幸よ」
「食べものなくて電気も水道も満足に動かなくて」
「弾圧も粛清もあってね」
「もう最悪よね」
「けれどそんな中にいてもね」
傍から見れば不幸の極みの中にあってもだ。
「本人さんが幸せってね」
「そう思ったら」
「もうね」
それでというのだ。
「幸せかもね」
「そんなものなの」
「そうかもね」
「自分がどうかなのね」
「幸せって思えたら」
「幸せかもね」
一華そして他の面々に話したがその顔は少し考えていてそれでいて明るいものだった。
「若しかしたら」
「ううん、幸せって難しい?」
「そうかな」
「何かこうも思ったわ」
一華はかな恵に話した。
「私はね」
「そうなの」
「お話していたら」
そのうちにというのだ。
「そう思えて来たわ」
「そうなのね」
「ええ、けれどね」
「それでもなのね」
「まだよくわからないわ」
つまり考えている途中だというのだ。
「どうもね」
「そうなのね」
「これからね」
「考えていって」
「わかればいいいわって思ってるわ」
こう言うのだった。
「これからね」
「今はまだ考え中ね」
「何時まで考えるかわからないけれど」
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