第十七章〜終幕、そして〜
第八十九話
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
「いや、その必要は無さそうだぜ?」
ほら、と佐助が指差す方向を見れば、家康さんと石田が率いる東軍と西軍が関ヶ原の地に現れていた。
石田の愛想の無さは相変わらずだったけど、でも西軍からきっちりと受け入れられてるって感じがするし、
家康さんもまた私達を見てばつが悪そうに笑っていた。
「おーい、小夜! 第六天魔王を倒すんだろ!? 今度こそ、俺らも仲間に入れてくれ!」
まるで遊びの仲間に加わるようなアニキに、私は苦笑してしまった。
アニキの傍らには鶴姫ちゃんがいて、アニキってばしっかりと鶴姫ちゃんの肩に手を回している。
「アニキ! ついに鶴姫ちゃんモノにしたのね! おめでとう!! リア充爆破しろ!!」
「ばっ……何言ってやがる!! 大体何なんだ、その最後の物騒な一言は!」
「うん、幸せな人を祝福するとっておきの言葉♪」
意味をきちんと理解している自称神様と松永は呆れ顔だったけれど、祝福と聞いてアニキは満更でもなさそうだ。
鶴姫ちゃんも顔赤くしてるし。
いやいや、アニキの恋が実って良かったよ。というか、鶴姫ちゃんの好きな男って結局誰だったんだろう。
後でさりげなく聞いてみるかね、孫市さん辺りに。
「景継殿! ワシらも手伝うぞ! 今度こそ、偽らぬ絆の力で!」
「絆などどうでもいい……が、恩には酬いらねばならん。刑部が起こした始末もしなければならんからな」
対照的な家康さんと石田にも笑えたけれど、まぁ……そろそろ終幕といきましょうか。
「おっしゃ!! 皆でアレ倒して戦勝祝いするよ!!」
力強く振り上げた拳に、皆も揃って応、と答えてくれる。
これで幕引きにしよう。東西を二分した戦いの幕引きに。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ