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竜のもうひとつの瞳
第十七章〜終幕、そして〜
第八十九話
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上げて倒れた神様をしきりに踏みつける松永は、どう考えても怒っている。
まぁ、表情には出してないけれど。

 「卿が余計なことをしたお陰で、この世界は消滅の危機に立たされている……どう、始末をつけるつもりなのかね」

 「ご、ごめん……だ、だって」

 「言い訳を聞くと思っているのかね、卿は……」

 散々に足蹴にして止めに爆発させてみたりとか炙ってみたりとかして、自称神様を散々に甚振る姿に私達は揃って唖然としてしまった。

 「や、やめて! ぼ、僕は男に殴られて喜ぶ趣味は……で、出来ればかすがちゃんか、お、お市ちゃんか、
……あ、い、いつきちゃんでもいいかな?」

 うわ、キモッ! つか、その発言に松永が更に容赦なくなったような気がする。

 「卿がそれほど望むというのならば、むさ苦しい男共を集めて袋叩きにさせてやっても良いのだがね」

 「ご、ごめんなさい……ま、真面目にどうにかするから、ゆ、許して……」

 ボコボコに蹴られて腫れ上がった顔は気持ち悪く、眼鏡なんか完全にフレームが歪んじゃってる。
何のキャラだか分からないTシャツは土で汚れてるしさ、本当……何か情けないというか何と言うか。
何というか、神様の威厳ってものが本当にないのよね、この人。

 「と、とりあえず、こ、このバグを、ど、どうにかしないといけない。
きゅ、九州を復活させるにも、ま、まずこれをどうにかしないと、し、システムを回復させることが困難だ」

 「そんなのは分かってんのよ! 具体的にどうするのか、ってのを知りたいわけ!!」

 「こ、これは、か、身体は大きいけど、き、基本的にバグを吸い上げて、ふ、膨れ上がっただけのものだ。
う、ウイルス自体は然して強力なものじゃない。だ、だから、この外殻さえ、は、剥がせれば」

 なるほど、この黒いのはバグの鎧なわけか。ってことは、さっき口から吐いた奴はバグの塊ってことかな。
それが直撃したから九州がデータ的な意味で吹っ飛んだと。

 「でも、一撃必殺技とかで散々に叩いたけど、すぐに足とか生えてきちゃったよ」

 「う、うん。ご、五人で駄目なら、か、数を増やせばいい。
ぼ、僕の力で、あ、あのバグに、こ、攻撃が出来るようにするから、あ、あとは皆で、ち、力を合わせて」

 戦えってか。まぁ、一人よりも二人、五人よりも十人。数は多い方が良いか。
てか、神様なんだから簡単にどうにかならんのかね。コレ。

 「ぼ、僕は、ぷ、プログラムを組まないといけないから、じ、時間稼ぎをしてくれると、た、助かる」

 そこら辺は上手く出来てないわけね。……ま、身から出た錆なわけだし、これもしょうがないか。

 「じゃあ、佐助。悪いけどちょっと三河まで行って、皆を呼んで来てよ」

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