第四百四十七話
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第四百四十七話 絹のドレス
春奈もパーティーに出席する、それで母にこのことを話すと。
「こうした時の為に買っておいてよかったわ」
「何を買っておいたの?」
「これよ」
娘に笑顔で言ってだった。
青いドレスを出してきた、娘にそれを見せて話した。
「このドレス買っておいたの」
「何時の間に」
「春奈の誕生日にね」
この時にというのだ。
「買っていたのよ」
「そうだったの」
「それでこうした時にね」
「私が着る為に」
「用意しておいたのよ。絹だから」
その丈の長い奇麗なドレスはというのだ。
「着心地は最高よ」
「絹なの」
「絹の服着たことなかったわね」
「ちょっと」
春奈は母にこう答えた。
「絹って高いわよね」
「そうよね、だからね」
「着たことないわ」
「けれど絹の服はこうした時に着るものだから」
それでというのだ。
「用意しておいたの」
「そうだったのね」
「だからね」
母は娘にさらに話した。
「着ていってね」
「何か悪いわね」
「悪くないわよ」
娘の言葉は即座に否定した。
「だってこうした時の為に用意しておいた服だから」
「それでなの」
「パーティーや特別な日の為にね」
「お母さんが買ってくれておいたのね」
「お父さんと一緒にね」
自分の夫のことも話した。
「だからね」
「それでなのね」
「着ていってね」
「わかったわ」
春奈は母の言葉に頷いた。
「それじゃあね」
「ええ、着ていって」
そしてというのだ。
「楽しんでいってね」
「そうするわ」
春奈は母ににこりと笑って答えた、その青い絹のドレスは見れば見る程奇麗で春奈も着る時が楽しみになってきていた。
第四百四十七話 完
2022・2・20
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