第二章
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「酒も飲み過ぎるな、身体も冷やさんことや」
「監督みたいに」
「そうしないと駄目ですか」
選手達も知っていた、金田のことは。彼は現役時代夏でもラクダのシャツを着て寝て肩を冷やそうとしなかったのだ。
それでだ、彼等も言うのだった。
「身体も冷やさない様にして」
「そうしてですか」
「やっていかないと駄目ですか」
「そや、そして練習や」
これのことも言うのだった。
「朝早く起きて身体動かしてくんや」
「そうしていってですか」
「練習をしていって」
「そのうえで」
「強くなるんや」
野球選手としてというのだ、こう言ってだった。
金田は選手達の食事や健康への管理を徹底させそうして練習もさせた、その練習はあまりにも激しいもので。
選手達も驚いた、練習することも仕事である彼等だったが。
「何だこの練習」
「こんな練習はじめてだぞ」
「金田さんの練習は凄いと聞いてたが」
「ここまでだったのか」
こう言うのだった、特にだった。
投手陣の練習は凄まじいものであり。
兎に角走り続けた、それでこうした言葉が出た。
「俺達は陸上選手か?」
「もうその域だな」
「そこまで走ってるよな」
「来る日も来る日もな」
「オフの日は用意してくれているにしても」
「俺達本当に走ってるな」
「走り通しだな」
他のピッチャー達も頷いた。
「あの村山さんが付き合って音を上げるのも当然だな」
「俺達も苦しいしな」
「投球練習よりもな」
「兎に角走ってるな」
「もう走りに走って」
「ランニング一辺倒だな」
「お陰で太腿がパンパンだ」
そのピッチャーはこうも言った。
「かなり辛い」
「全くだな」
「スポーツしていたら走るけれどな」
「練習で絶対に」
「けれどこんなに走る必要あるか」
「ピッチング練習はかなり減ったけれどな」
「それでもいけるか?」
「ピッチングよくなるか?」
「大丈夫か?」
こうした意見も出た、そしてあまりにも厳しい練習で走り続けるのでだ。
投手陣の中心の一人である八木沢荘八がこう言った。
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