第四章
[8]前話
「そうだったんだよ」
「その高校生以下だったんだ」
「十五歳っていったら中学生だ」
その頃だというのだ。
「昔は五年制で十七歳までだった」
「そうだったよね」
「その中学生でな」
「軍隊にいたんだ」
「そして小学校でな」
十一歳でというのだ。
「戦場に出ていたんだ」
「それは凄いね」
「有り得ないな」
「子供が戦場に出て戦えるとか」
これはというのだ。
「日本軍って凄過ぎるね」
「漫画みたいだな」
「そうだね」
「ああ、本当にな」
「全部が全部凄いよ」
そこに書かれていることはというのだ。
「本当にね」
「そうだな、これじゃあな」
森川は本気で言った。
「勝てないな」
「絶対に無理だよ」
それこそとだ、彼は言った。
「史上最強の軍隊だよ」
「化けものだな」
「若しかしてね」
芥は真顔で述べた。
「日本軍って全員が大谷翔平さんみたいな」
「怪物だったっていうんだな」
「そうだったとか」
こう森川に言った。
「ひょっとして」
「その域だな、しかしここまで無茶苦茶だと面白いだろ」
「ネタだね」
「ああ、日本軍が好きになっただろ」
「なったよ、こんな強い軍隊なら」
芥はそれこそと話した。
「世界征服だってね」
「出来るな」
「うん」
まさにというのだ。
「絶対にね」
「それが負けたからな」
言わずと知れた第二次世界大戦でというのだ。
「不思議だな」
「しっかり人類史上最大のミステリーって書かれているね」
「兎に角超人どころじゃない話ばかりだからな」
「こんなに強くて豊かで技術もある軍隊が負けるのかな」
「負ける筈がないだろ」
「宇宙規模の災厄も防げるよ」
芥はこうまで言った。
「本当にね」
「そうだよな」
森川もそれはと答えた。
「これは」
「うん、何かこれ読んで」
芥は笑って述べた。
「日本軍が好きになったよ」
「兵器以外のことでもだな」
「うん、そうなったよ」
「僕もだ、本当に凄いな」
「無茶苦茶過ぎてかえって痛快だね」
「完璧超人にも黄金聖闘士にも勝てそうだな」
「冗談抜きで塾長いたのかもね」
某男塾のその人である。
「実際に」
「そうでも不思議じゃないな」
「もうその域だね」
「これからもこんな話が出て欲しいな」
「日本軍がどんどん好きになるからね」
笑顔で言ってだった。
芥は日本軍の兵器のプラモデルを造ってだった。
森川と日本軍の偉業についても笑って話していった、そうした時彼はいつも笑顔であった。それが最早笑い話であるからこそ。
勝てる筈がない 完
2021・12・14
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