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竜のもうひとつの瞳
第八十八話
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のすすり泣くような声を上げながら、お市が私達を見る。
もしかしたらとは思ってたけど……こんな形でバグに取り込まれたんだ……。

 「ヒャッヒャッヒャ!! 不幸だ、不幸が現れたぞ!! ヒャーッヒャッヒャッヒャ!!」

 不気味な笑いを振りまく大谷を、魔王が踏み潰す。舞うのは血飛沫ではなく数字の羅列。
それが全て魔王に吸い込まれていく。
魔王は口を開けて、バグを身体に取り込んでいる。
お市の形をした人形も少しずつ数字になって魔王に取り込まれていき、このバグで作られた空間そのものをも取り込もうとしている。

 ……大谷と明智さえ倒せば終わりかと思ったけど、まさか大谷や明智のデータを吸い込んでこれがウイルスになったとか……?
ちょっとそれって、ヤバくない? アレ以上膨れ上がったらどうしようもなくなるんじゃ……。

 「このバグ……じゃなかった、闇を全部あの第六天魔王が吸い取る前に倒すよ!!
全部吸い取られたら余計にパワーアップして収拾がつかなくなる!!」

 ゲームの信長との戦闘も、確か一定時間内に陣を落とさないと魂を吸収されて、倒しても何度も復活する破目になったはずだ。
まぁ、四回以上復活させると特別褒賞がついた覚えがあるけど、この状況でそんな褒賞を付けたくはない。

 「なっ……それは急がねばなりませんな!!」

 「なら、やるしかないか……旦那!」

 「おう!」

 「行くぜ!!」

 四人が揃って繰り出したのは婆娑羅技だ。しかもドライブ時の最高に強い奴。
でも魔王はそんな四人を蝿でも払うかのようになぎ倒しちゃって、べしゃっと揃って地面に叩き付けられている。
ああもう、何やってんのよ。ちょっとは頭使って攻撃してよ。

 「政宗様!TESTAMENT使って下さい!! 小十郎は輝夜! 二人は政宗様と小十郎の技がきちんと発動
出来るように立ち回って!!」

 咄嗟に指示を出すと、政宗様が軽く舌打ちをして刀を構えている。

 「二人揃って一撃必殺ってのは粋じゃねぇが、四の五の言ってられる状況でもねぇか」

 「今は手段を選んでいる場合ではありませぬ! 行きますぞ、政宗様!!」

 「上等! しっかり付いて来い、小十郎!!」

 「はっ!!」

 ……うーむ、何だかんだであの幸村君と信玄公張りに暑苦しい。
つーか、公の場でイチャイチャすんな、お前ら。恥ずかしいから。つか、幸村君が何か羨ましそうに見てるし。

 「佐助! 俺達も」

 「俺はあの掛け合い絶対やらないから!!」

 何となく寂しそうな幸村君は政宗様のバックアップに走って行った。佐助も小十郎のフォローに走っている。

 さて、私の役割は……と。私の身体が小十郎と同じなら、きっと出来るはず。

 「迎
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