暁 〜小説投稿サイト〜
竜のもうひとつの瞳
第八十八話
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
が掛かってることをしっかり理解してやがるのか。
とっとと駆除しちゃった方が良さそうだな。何か厄介な罠とか作ってそうだし。

 「政宗様、小十郎、幸村君、佐助……とっとと倒して戻ろう。数字の羅列になって取り込まれるのは正直嫌じゃない?」

 「Ha! 俺らもあんなになっちまうってか。……上等、とっとと倒して帰るか」

 「長居は無用! 早く戻り甲斐を建て直し、そして小夜殿を迎えに行かねばならん!!」

 「テメェ、俺を差し置いて何を言ってやがる!! テメェにだけは絶対に渡さねぇ!!」

 「貴殿のものではなかろう!!
それに竜の右目は片倉殿がおるではないか、二つもあるのは欲張り過ぎでござる!!」

 ……おいおい、喧嘩してんじゃねぇよ。こんなところで女の取り合いとかみっともないっての。
つか、反省してねぇな? こいつら。

 「……小十郎、あの二人に鳴神」

 「しかし」

 「いいから、お仕置き」

 小十郎は戸惑っていたが、割合手加減して二人に鳴神をぶちかましてくれた。
直撃を避けられなかった二人は揃って抗議していたが、私が鋭く睨み付けると途端に大人しくなる。
全く、こんなところで子供の喧嘩しないでよ。タイムロスが痛いんだから。

 大谷は自分の周りに浮かぶ珠を操り、私達に巧みに遠隔攻撃を仕掛けて来る。
五人もいれば踏み込む隙はあるかと思ったけれど、珠の動きが割に早い上に予測が出来なくて、迂闊に踏み込むことが出来ない。
砕こうと思えば砕けるんだけど、幸村君が砕いた破片が一つ一つ複雑な攻撃を繰り出してくるものだから、
うっかり砕くのも出来ない。

 イロモノキャラだとばっかり思ってたけど、なかなかやるわね……。

 「ヒッヒッヒ……どうだ、不幸になったか? 不幸か? ヒッヒッヒ!!」

 「喧しい!! 何が不幸よ! アンタ、そんな姿になってて今でも不幸だって言うつもり!?
すっかり健康体じゃないの!!」

 「ヒッヒッヒ……」

 駄目だ、話が通じない。満月の夜でもないってのに……やっぱりバグに侵食されて精神的におかしくなってるのかしら。
いや、人の不幸を望んでここまでやったんだから元々か?

 「見やれ、魔王の復活を!!」

 大谷が手を掲げた途端、大谷を囲むようにして黒い光が放たれ、地鳴りと共に黒く地面が膨れ上がっていく。
そして巨大ロボくらいの大きさはあるんじゃないかと思うくらいの黒い人形(ひとかた)が二体、私達の前に姿を現した。

 「あ、あれは……第六天魔王!?」

 幸村君の叫びに、一体のスタイリッシュな西洋鎧のおっさんが第六天魔王こと織田信長だと知る。
そしてその傍らに立つ黒い人形には酷く見覚えがあった。

 「……お市?」

 あ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ