暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第108話:動き出す獣達
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う通りロサンゼルスに居る。
S.O.N.G.が世界的組織となったことで活動が一気に広がり、颯人も何時までも裏方で動いている訳にもいかなくなった。より広く動く為には、表世界で何らかの肩書が必要になったのだ。
そこで颯人が選んだのは、マジシャンとして活躍する事。そもそも魔法使いにならなければ、父の後を追う様にマジシャンとしてデビューするつもりだったのでちょうど良かった。
だが颯人がマジシャンとして活躍するという事は、それだけ奏と共に過ごす時間が減るという事。ただでさえツヴァイウィングとしての活動で忙しいのに加え、颯人もまたマジシャンとしての活動で更に奏と触れ合える時間が減っていた。
しかも颯人は彼自身がマジシャンとして優れた腕を持っていると言うだけでなく、世界的に有名なマジシャンである輝彦の息子と言う話題性もある。
おかげでここ最近奏は颯人と全く触れ合えておらず、愛しさと寂しさが高まっていた。出来る事なら、今すぐ颯人に会いたい。
そんな気持ちが顔に出ていたのか、翼が奏の頬を突っついて来た。
「奏、そんな顔しないの」
「む、何だよ?」
「この仕事終われば少し時間も空くし、言えば颯人さんならすぐに跳んできてくれるでしょ? それまで我慢しよ」
普段は奏の方が翼を宥めたり揶揄ったりしているのに、今は完全に立場が逆だ。颯人と婚約してからこういう事が多くなったような気がする。恐らく、と言うか間違いなく、颯人の存在が奏にとっての精神的支えと同時に弱点になっているのだろう。
それが分かり一瞬ムッとなった奏だったが、しかしそんなに悪い気もしなかった。颯人の事を想うと、奏は戦士としての自分を忘れられる。1人の、タダの女で居る事が出来る。それが何だか心地良くて、自然と奏の顔には笑みが浮かんでいた。
奏の笑みに彼女の機嫌が良くなったのを感じて、翼もまた朗らかな笑みを浮かべる。
「さ、行こう奏。緒川さんが待ってる。マリアとはまた後で――――」
マリアとは後で話そう……そう言おうとしたところで、マリア達が向かっていった先で発砲音と争うような音が聞こえてきた。明らかにただ事ではない様子に、2人は一瞬で戦士としての顔になり頷き合うとそちらへと向かう。
ギアを纏ってそちらへ向かうと、通路の先ではドレスを着た嫌に色白な女性が真上に剣を構えており、マリアがその剣に貫かれそうになっている瞬間を目にした。
それを見た瞬間、奏は考えるよりも先に行動を起こしていた。
「おらぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
女性に向け投擲されるアームドギア。槍が飛んできた事に女性が気付くと、マリアへの攻撃を中断し剣で槍を防いだ。
それと同時に飛び出した翼が落下しつつあったマリアを受け止める。
「翼! 奏も
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