第八十部第五章 秘密兵器その二十
[8]前話 [2]次話
「あの艦艇も使ってな」
「そしてですね」
「今日のうちにですね」
「敵の戦線を突破し」
「ティムール領に侵攻しますね」
「その時が来た」
まさにというのだ。
「だからだ」
「ここはですね」
「即座に攻撃命令を出される」
「全ての戦線において」
「そうして戦線を突破し」
「そのうえで」
「ティムール領に雪崩れ込んでだ」
そうしてというのだ。
「そしてだ」
「戦争の趨勢も決めますね」
「今日の時点で」
「この戦域の勝利だけでなく」
「さらにですね」
「そうする、シャイターン主席がいないならだ」
それならというのだ。
「彼が不在のうちにだ」
「まさにその時にですね」
「それを好機として」
「そうしてですね」
「ここで勝利を得たからこそ」
「戦争自体を」
「決めるのだ、ではだ」
まさにとだ、アッディーンは言った。そうしてだった。
彼は今全戦線に通信を入れてだった、各軍司令達にそれぞれの戦線での総攻撃を命じた。あの艦艇を使って。
そして自身の戦線でも進撃に移ろうとしたが。
ここでアッディーンは倒れた、司令官の座に沈む様に倒れ込んでだった。慌てて駆け寄った幕僚達に言った。
「どうも私もだ」
「お疲れですか」
「お身体が」
「左様ですか」
「これまでの疲れがな」
まさにそれがというのだ。
「出た、ではだ」
「それではですか」
「この度はですか」
「休まれますか」
「そうされますか」
「そうしなければならないらしい」
今の彼の体調ではというのだ。
「疲労の限界だ、ではだ」
「はい、この度はですね」
「お休みになられますね」
「司令室に戻られて」
「そうするしかない様だ、暫く各戦線の指揮を軍司令達に委任し」
そうしてと言うのだった。
「この戦線の指揮はムラーフ元帥に任せる」
「あの方にですね」
「第一軍司令であるあの方に」
「そうされますね」
「そうする、では私はこれで暫く休息を取らせてもらう」
体力だけでなく気力の限界に達した、このことを実感してだった。
アッディ―ンは従兵達に両肩を担がれて司令室に戻りそのベッドに入って休んだ、そのままこんこんと眠った。
オムダーマン軍が勝利したとの報は瞬時に全人類に伝わった、連合ではこのことについてさして驚かれなかった。
「ああ、オムダーマンが勝ったんだな」
「国力考えれば妥当じゃないか?」
「そうだよな」
「やっぱりオムダーマンの方が国力高いしな」
「だったらな」
「オムダーマンが勝って当然だろ」
「そうだよな」
ネットではこう書き込まれていた。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ