第八十七話
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ないわ。今度は政宗様に姿を変えてるし。
それなら攻撃出来ないだろうと踏んでのことだと思うけど、寧ろ逆効果も良いところだ。
日頃、政宗様にストレスを抱えさせられている小十郎なんか、段々攻撃に遠慮がなくなって来ているし、私も全力で戦っている。
例の恍惚の表情を浮かべて痛がっている様がまたなんとも言えないが……
「政宗様はこういう趣味、政宗様はこういう趣味……」
仕方が無いので自分に暗示をかけて戦ってます。いや、ぶっちゃけそうだったらドン引きだけど面白いなってのもあって。
「テメェ、俺をそういう趣味にすんな!! 俺は甚振られて喜ぶ趣味なんざねぇ!!」
まぁ、私の呟きに政宗様が怒鳴ってるけど、一応主の目の前で主と同じ姿したもの叩き切るわけにはいかないっしょ?
建前的な意味で。
さて、政宗様では効果が無いと踏んだのか、次は佐助になった。
よし、ここは小十郎に本気を出してもらおう。
「小十郎! 佐助に甲斐で散々覗かれた挙句、ストーキングされた!」
「すとー……?」
「女性を気配丸出しに付け回して、付け回されているって恐怖に怯える様を見て喜ぶ変態趣味のこと」
「テメェ!!」
完全に極殺が入った小十郎は、佐助の姿になった明智を百二十パーセントの力で攻撃している。
暴走した初号機張りの攻撃に、佐助が完全に怯えた顔で見ているのは分かった。次はお前だ、的なね?
「そろそろ止めを刺そう!」
「はい!」
揃って刀を構える私達は、鏡写しのようだ。
「射干玉の闇に光一つ!」
声を揃えて叫んで振るう剣は、鏡写しの小十郎の婆娑羅技。
右利きと左利きじゃどうやってもそうなっちゃうのよねぇ……小十郎の剣って。
でも、この鏡写しの小十郎の剣はなかなか見世物としては綺麗でしょ?
「二度と復活すんな!! この変態が!!」
まともに私達の攻撃を食らって、佐助顔の明智が恍惚の表情のまま音を立てて崩れていった。
やっとこれで、悪夢を一つ解消することが出来た。
「やっとこれであの日の悪夢から解放される……」
「同じく、この小十郎もです……が」
つかつかと歩いて行って、小十郎がしっかりと佐助の頭を掴む。
ギリギリと締め上げながらさっきのはどういうことだと凶悪な笑顔で聞き出している。
「事実無根だから!! 確かに甲斐でも見てたけど、それは仕事だから監視してたの!! 俺の趣味じゃない!!」
「えー、お風呂とか覗いてたんじゃないの〜?」
そんなことを言ってやれば、すかさず幸村君と政宗様が佐助に詰め寄っていく。
「佐助!! 破廉恥極まりないぞ!!」
「おい猿、死ぬ覚悟は出来てるんだろうなぁ?」
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