第八十六話
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いや、そういうんだってまだ関心があるってことだと思うんだけども、それすらもする気が無いほどどうでも良かったのかもしれないね。
「……いらないなら、私も何処かに養子に出せば良かったのに。ってか、産まなきゃ良かったのに。
下ろしちゃえば良かったのよ。堕胎だって楽に出来る御時世だってのにさ」
誕生日なんか、一度も祝ってもらったことがない。
妹の時は盛大に祝うのに、私はクリスマスケーキはあるけど、バースデーケーキもプレゼントも用意してもらったことはない。
クリスマスプレゼントなんかわざわざ言うまでも無いだろう。
その反動なのか一人暮らしをするようになって、誰にも祝ってもらえない私の誕生日を自分で祝うようになった。
一人じゃ食べきれないくらいのでかいデコレーションケーキなんか買って来て、
いつもは節約生活で切り詰めてやってんのに豪華な食事とか用意しちゃって、一人で誕生会の真似事をして、
ケーキには手をつけずにベランダの窓から投げ捨てるのが毎年の流れだった。
空しかった。友達は結構多くいたし、彼氏もいた。
わざと明るく振舞って、元気で明るくてちょっとひょうきんな子、って周りには振舞っててさ。
絶対人前では泣かないようにして……何で私、こんな風に振舞ってまで生きてるんだろ、ってずっと思ってた。
生まれてきたことを祝ってもらえないのは、自分が生まれてきたことが罪であるような気がして、
明るく振舞っているくせして生きていることには後ろ向きだったような気がする。
一言でもおめでとうって言ってもらえたら……この空しさは無くなっていたかも、なんて思う。
だから家族が欲しかった。私のことを愛してくれる家族が。人一倍憧れていたと思う。家族ってものに。
でも、そんなものは何処にも無くて、段々人が信用出来なくなっていた。
友達って言ってても腹の探りあいをして、恋愛感情を持って付き合ってきた彼氏も、
心のどこかでいずれ捨てられるんだろうって思いが抜けずにいたのは否定出来ない。
だから折角付き合っても半年以上続かなかった。
その分ゲームはよくやったなぁ〜。歴史は結構好きだったし、無双なんか楽しんでやったよ〜?
無双の政宗様のあの「馬鹿め!!」ってのが好きでさぁ〜……あんな風に強く生きられたら、って思ってた。
ゲームのキャラクターなのに、憧れてたのかもしれない。
そんなんだからミンチになった時、あの自称神様には私の人生返せって言ったけど、
その反面でほんの少しだけやっと現実から逃れられた、って気持ちになった。
生まれ変わって新たに家族を持ったけど、やっぱり生まれ変わる前とそう大差は無かった。
でも、暴言吐いてくる辺り、まだ私に関心があったのかもしれない。
けど今度は小十郎がずっと側にいて
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