第十六章〜闇の内部に飛び込んで〜
第八十三話
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まったのだ。魂というものを。
それは、竜の右目と同等のデータを持ち、そして魂を持った卿と三十年間接して触発されたがゆえの事故だ」
「事故?」
それじゃまるで魂が生まれたらいけないみたいじゃないのよ。生まれてしまったのは全く予想外のことだって……
「本来ならばゲームのキャラクターが人と同じように魂など持つはずが無いのだよ。彼らは操り人形なのだから。
……魂を持つ者は、演者とはなりえない。魂を持つ者は、良くも悪くも世界に影響を与えてしまう。
何故なら決められた通りに行動が出来ないからだ。自意識というものを持ち、自分の考えで行動を起こす」
「脚本を離れて一人芝居を始めてしまう……いや、芝居そのものを崩すようになってしまうから、ってことね?」
「そういうことだ。そしてその自立した行動は他の演者達に悪い影響を及ぼしてしまう……
これこそ、本当に有り得ない“バグ”なのだがね」
理解出来ていないのは私以外の面子。こんな大事な話をこいつらの前でしてもいいのかとも思ったけど、
小十郎以外はいくらでもデータを弄ることが出来るから問題ないと言い切った。
ちなみに松永という存在は勿論ゲームのキャラクターの一つなんだけど、存在自体が曖昧なものだからGMさんが兼ねるには丁度いいらしくて。
あと、個人的なストレス発散にも持って来いだからとか言ってた。全く、傍迷惑な。
つか、どうしてあんなに話の流れに拘ったのかって、こうなることを予測してたから二人とも変えるなって言ったわけなのね。
っていうか、それならそうと早く言ってくれれば……いや、言われてもやったような気がするなぁ。
「話を戻すが、あのバグを消す方法なのだが……バグの中心でウイルスと化しているデータがある。それを叩いてもらいたい」
「ウイルス?」
「魔王復活を目論み暗躍した者達がいるだろう?
それがコンピュータウイルスに変化し、あのバグを内部から押し広げているのだ。
私はあのバグを止めてこの世界を修正しなければならない。
こちらにも事情があり、この世界が崩壊されると些か困る事になるのだよ」
何か良く分からないけれど、ウイルス対策ソフトの役割を果たせばいいわけね?
でも、あの中に飛び込んで大丈夫なのかしら。私の身体だってデータの一部なわけでしょ? バグったりしない?
「念のためバグに取り込まれないようプロテクトはかけておくが、あまり長くは持たないだろう。
ただ、卿と竜の右目は演者ではない。最悪肉体が破損したとしても、存在は残ることが出来る。
……最も、周りの者達はデータが破損すれば消滅するがね」
ううむ、それは一大事だ。てか、破損ってのはつまり死ぬってことと同義なわけでしょ?
……ってか、私が考
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